レシピ

vol.12 小鯛焼き潮(うしお)・秋野菜吸い地蒸し


四季ごよみ 食彩

vol.12 小鯛焼き潮(うしお)・秋野菜吸い地蒸し

四季ごよみ 食彩

小鯛焼き潮(うしお)・秋野菜吸い地蒸し

冬、熱く湯気が立ち昇り、体のシンから温まる汁料理が恋しい時季。汁物の具材には旬の物の魚介、昆布、肉、野菜、茸、種実、果実などを使い、新米ごはんとの組み合わせを楽しみ、収穫の喜びを感謝する季節でもあります。汁類は、澄まし、濁ったもの、とろみ付きなどさまざまです。汁物に香りを添え、味を引き立てる「吸い口」にも工夫し、香辛料、ユズ類、おろしショウガなどをあしらい、楽しみたいものです。

■材料(4人分)

小鯛 2枚  
シメジ 2分の1パック  
金時ニンジン 3分の1本  
ヤングコーン 4本  
ユズ皮 2分の1個分  
コマツナ 1束  
ワカメ 20g 戻したもの
天かす 大さじ4  

■吸い地(すいじ)

3カップ ミネラルウオーター
淡口しょう油 小さじ1.5  
小さじ2分の1  
大さじ1  
昆布 1枚 10cm四方

■1

小鯛はうろこを落とし、三枚おろしにする。頭は左右2等分にして、中骨と一緒に塩を振り、30分おいて水洗いする。さらに霜降り(湯通し)して雑味を除き、全体を淡いきつね色に焼き目を付ける

■2

鍋に水(ミネラルウオーター)と昆布を入れ、分量の塩の半分を入れる。焼いた小鯛の頭と中骨を加えて加熱。煮立つ前に昆布を引き揚げ、アクをすくい取り、ふきんで汁をこしておく

■ひと口メモ

小鯛として使用する黄鯛はレンコ鯛とも呼ばれ、体色が黄色がかっている。産卵期は6~7月と10~11月の2回。真鯛よりも味は劣るが、値段が安く、塩焼き、煮つけ、刺し身に用いられ、かまぼこの原料にも使われる

■作り方

  1. 3枚におろした小鯛の皮を下にし、身の両端を折り込むようにして、金串を左右2本打つ。皮目に包丁の切り込みを入れ、荒塩を振りかける。

    ※普通、振り塩は魚の重量の約5%を目安にするが、今回は吸い口にも塩味を付けるので、塩加減には注意が必要。ポイントは、いかにおいしい塩を使うかなので、荒塩がお勧め。また、小鯛は焼くことで身が締まり、加熱しても皮がはがれにくく、仕上がりが良い。焼くのは皮目だけにすること。焼き上がった際、金串を左右に2、3度回転させておくと、金串が抜きやすくなる。

  2. シメジは足つきをきれいにして、2、3本ずつ人数分に分ける。金時ニンジンはきれいに水洗いし、皮付きのまま5cmのマッチ棒型に切りそろえる。ヤングコーンは、大きさを整え、ワカメは一口大に切りそろえる。ユズ皮は細く切りそろえておく。コマツナはサッと湯通しして水気を搾っておき、5cmに切りそろえる。

  3. 吸い地(吸い物のつゆ)を鍋に取り、シメジ、金時ニンジン、ヤングコーンを煮立て、酒と塩を入れ、アクをすくい取り、最後に淡口しょう油を足す。出来上がりは、ほぼ吸い物くらいの味にする。

  4. 深めの皿に焼いた小鯛を盛り、(3)の食材とワカメを入れ、コマツナを盛り、(3)の吸い地を張って、熱くした蒸し器に入れ、上から水滴が垂れないようふたをずらして10分ほど加熱する。

  5. 取り出して、天かすをふりかけ、ユズ皮の細切りを吸い口に、いただく。塩焼きの小鯛の塩味と野菜の持つ風味で拮抗(きっこう)させ、バランスの取れた潮(うしお)汁に仕立てる。

筆者 室山哲雄さん

昭和43年西日本調理師学校、西日本調理製菓専門学校をそれぞれ設立。

平成18年に学校法人本山学園の理事長・校長に就任。現在に至る

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