レシピ
vol.27 飯蛸、赤米入り 晴れの蒸し寿司

「飯蛸、赤米入り 晴れの蒸し寿司」
まだ寒さの残るこの時期、蒸し寿司はいかがでしょうか。地元産の赤米(あかごめ)を使い紅白に染め分けして、晴れの料理にも応用できます。飯蛸(イイダコ)は、子を宿している冬が旬で、春に産卵します。小貝柱を含め小型魚介類は良い味を持ち、野菜とともに含め煮にすることで、すし飯と味がなじみます。すし飯にはコクと風味のある純米酢を使い、また蒸すことでおいしさが一段と引き立ちます。
■材料、調味料(4人分)
白米 | 2合 | (360ml) |
赤米 | 1合 | (180ml) |
イイダコ | 4尾 | |
ニンジン | 小1本 | |
生シイタケ | 4枚 | |
菜の花 | 1パック | |
小貝柱 | 1カップ | 干乾物は水に戻して使う |
卵 | 3個 | |
焼アナゴ(小) | 2本 | |
赤カブの漬物 | 40g | |
木の芽 | 4枚 |
八方だし汁
だし汁 | 400ml | |
薄口しょうゆ | 40ml | |
みりん | 30ml | |
酒 | 10ml |
すし酢
純米酢 | 70ml | |
砂糖 | 50ml | |
塩 | 15ml | |
昆布 | 2枚 | 5×5cm 1枚 ※赤米用 7×7cm 1枚 ※白米用 |
調味料
酢 | 適量 | |
塩 | 適量 |
■下ごしらえ
・白米、赤米は別々にといで、ザルにあげ、20分くらいして鍋底に昆布を等しく敷き、別々に硬めに炊く。水加減は米重量の1・5倍、容量の1・2倍が標準。水分の多い新米なら重量の1・4倍、容量の1・1倍が目安。昆布は取り出しておく。
・八方だし汁は、だし汁10、しょうゆ1、みりん1が目安、2割方煮詰めた場合も同じ。すし酢は、蒸すので酢の香りが飛びやすいため多めの純米酢を使い、砂糖、塩も加熱すると味が弱まるので、熱い状態のタイミングに合わせて濃いめにする。
■作り方
- すし酢は、手鍋で加熱しておき、3分の1量と3分の2量に分けて飯房に別々に白米と赤米の炊きたてを空け、赤米に3分の1、白米に3分の2の量を回しがけして、木しゃもじで切るように混ぜ、ぬれ布きんをかける。
- イイダコは、15~20cmのもので、イイ(子)が詰まったものを用意。スミや内臓、目玉を取り、荒塩をかけて手もみしてぬめりを取り、しっかり洗う。
- ニンジンは、厚さ2mmにスライスして型で花ビラ状に抜き、生シイタケは石づきを取って厚さ4㎜に切り、菜の花は一口大に切りそろえ、さっとゆがき、軽く塩をふり、酢をかけて色止めをする。
- ボウルに2%ほどの塩水を用意し、汚れを取った小貝柱を軽くもみ洗いしてザルにあげ、水を切る。
- 鍋に八方だし汁を煮立て、小貝柱、イイダコを入れて煮立て、ニンジン、生シイタケを入れ、弱火で7~8分煮て火を止め、鍋のまま煮含める。途中やや冷えたころ、菜の花を加え、味を含ませる。
- 薄焼卵を3枚ほど作り、冷まして長さ7~8cmに切りそろえ錦糸卵にする。
- 焼アナゴは、一口大に切り、赤カブの漬物は5mm角に切りそろえておく。
- 飯房に用意した白米・赤米を器に入れ、(5)の具材を半分混ぜ、中央3分の1に赤米、両側に白米を盛り分け、錦糸卵をちらし、残りの具材を盛る。隅に赤カブの漬物を装う。加熱した蒸器に入れ、タイミングよくいただく。

筆者 室山哲雄さん
昭和43年西日本調理師学校、西日本調理製菓専門学校をそれぞれ設立。
平成18年に学校法人本山学園の理事長・校長に就任。現在に至る
「リビングおかやま」2014年2月22日号掲載