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私のお気に入り 読者が教えてくれた昭和の空気漂う純喫茶


レトロな内装、ノスタルジックなインテリア、飾らない定番メニュー。読者が行きつけの店を紹介してくれました。

私のお気に入り 読者が教えてくれた昭和の空気漂う純喫茶

 新しいオシャレカフェが並ぶ街中で、時が止まったかのような昭和の空気を漂わせている純喫茶。レトロな内装、ノスタルジックなインテリア、飾らない定番メニュー。読者が行きつけの店を紹介してくれました。

ダンケ

常連でなくても居心地がいい
街中の貴重なオアシス

紹介者・小川孝雄さん(岡山映画祭実行委員会代表・60代)

「買ったばかりの本をここで開くのが楽しみ。家でも職場でもないサードプレイスで、おいしいコーヒーを飲みながら大切な時間を過ごせます」

内装を手掛けたのは、美術家・久山淑夫さん。久山さんの絵も飾られています

お母さんが作ってくれるような家庭的なサンドイッチ。モーニングは、ドリンク代だけで、サンドイッチかトースト+ゆで卵付きに。ドリンクは400円から。
メニューはテーブルになく、入り口そばの壁に貼ってあります

 街のど真ん中の、ほっとひと息つける貴重なスポット。僕は街の風景が見える一番奥に座ります。一人で本を読むのもよし、友達とおしゃべりするのもよし。一人の時間を過ごせる幸せをしみじみと感じます。

 ママさんとお客さんとの距離感が絶妙。ベタベタするわけでもなく、そっけないわけでもなく、「奥が空いとるよ~」なんていう、さりげない声掛けが上手です。ママさんとおしゃべりをする常連も多いのですが、その話し声も心地よく感じるほど。常連でなくても居心地がいいんです。

ダンケひまわりの形の看板

シンフォニーホールの裏のビルの2階。ひまわりの形の看板が目印

昭和45年創業。シンフォニーホール建設の再開発で、平成2年、現在地に移転。昭和から平成初期は常に満席だったというほど繁盛していた同店。ほとんどが男性客で1日に5~6回来るお客さんもいたそう。現在は、オーナーの村山時子さんが1人で切り盛り。忙しいときは常連さんが手伝うことも。

ダンケ
岡山市北区表町1-4-1 第二開発ビル 2F
☎086(232)4836
8:00~18:00営業 ※モーニングは10:00まで
無休
もなど喫茶店

大正・昭和レトロの空間で
一人時間を満喫して心をリセット

紹介者・Mさん(主婦・38歳)

もなど喫茶店で撮影。写真左は紹介者のMさん


ナポリタン800円(混雑時は注文できない場合あり)

銀皿の上にしっかり立つかたさのプリン350円

 いつも一人で来ます。私の特等席はカウンターの一番奥。書き物をするのにちょうどいい高さなので手帳にメモをしたり読書をしたりして、一人の時間をたっぷり味わいます。ジャズが流れる店内で静かに過ごし、心をリセットして、自分の軸を戻してから日常にまた帰っていけます。大正・昭和レトロを思わせる統一感のある内装や食器類もお気に入り。

 私はコーヒーとスイーツをよく注文します。サイフォンでいれたコーヒーは、香り豊かですっきりとした味。たっぷり入っていてアツアツで出てくるのが気に入っています。お薦めはプリン。個人的にとろとろが好みではなく、ここのプリンのかたさがちょうどいいんです。分厚い食パンに手作りのピーナツバターがのったトーストは、明日も明後日も食べたくなる味わいです。

昨年、表町商店街にオープンしてたちまち話題に。大正・昭和の純喫茶を再現したいと、「着物を着て帽子をかぶっている和洋折衷の人をイメージしながらお店づくりを進めました」と石井寛子さん(共同経営者)。メニューはナポリタンやクリームソーダなど定番中の定番。「流行のものではない、定番や普通っていいと思うんです。普通を究めたい」

もなど喫茶店
岡山市北区表町2-7-23 せのお洋服店2階(表町商店街内)
11:00~21:00営業 ※ランチ11:00~15:00
木曜定休(不定休あり)
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キャッスル

7つの水槽に囲まれた店内は
さながら水族館にいるよう

紹介者・岩根宏行さん(ギャラリーオーナー・70歳)

「新聞が何紙も置いてあるのもいいですね」

モーニング480円

 私は退職後、キャッスルの隣で5年前にギャラリーをオープンしました。隣だから分かるんですが、最近、若い子たちがキャッスルの外観を写真撮影し、中に入っていくんです。福岡とか関東とか、県外から来る子も多いらしいです。へぇーっと思ってね。面白いですね。

 奥に入って驚くのは、壁に埋め込まれた7つの水槽。中にいる、メダカや金魚などの魚が元気に泳いでいるのを見るのはいいものです。

 近所のよしみで月に数回モーニングを利用します。ここのモーニングの目玉焼きは、端っこがちょっと焦げています。フライパンに年季が入っているからこそできる目玉焼きの焦げ。見た目も味も昭和です。

昭和47年創業。初めの5年間は熱帯魚の販売もしていたので、水槽がたくさんあるのはその名残といいます。昭和50年、60年代は、人が入れないくらい混み合っていたそう。年季の入った椅子、クラシックな照明など、色濃い〝昭和〟を感じるお店です。

キャッスル
岡山市北区中山下1-5-38
☎086(222)7197
8:30~18:00営業 ※モーニングは10:30まで
日曜定休
B三共

店も店主も個性際立つ
昭和初期創業の老舗喫茶店

紹介者・鄭 燕好(ていえんこう)さん(アーティスト・40代)

マスターやママさんとおしゃべりできるから、たいていここに座るという鄭さん

外観からは想像のつかない個性的な店内。シャンデリアの金属パーツの重なり合う音がBGM。ローズウッドの壁や間仕切りもオシャレ。古いのに清潔感があるお店です

昔ながらの作り方を続けているオムライス550円

 店主の息子さんと同級生なんです。アーティストで刷師である彼の作品が店内に飾られています。お父さん(マスター)も写真が県展に入賞するほどのカメラの腕前。店主ご夫妻と昔話をしたり、アートの話をしたり。ユニークなお二人とおしゃべりすると、リフレッシュできて心が軽くなります。

 店の中央にある六角形の大きなテーブルとシャンデリアがインパクト大。全体のモダンな雰囲気も大好きです。

 よく注文するナポリタンは、シンプルな味。これらのメニューは50年前から変わっていないというのもびっくり。

昭和8年にオープンし、店主の祖母と叔母が営んでいたのが「三共」。昭和13年ごろにオープンした「B三共」は2号店という意味でBが付きました(現在はB三共だけが営業)。昭和30年に現在の場所に移り、昭和46年に建て替えて現在に至ります。岡山市内中心部の老舗喫茶店として古さでは一、二を誇るそう。

B三共
岡山市北区表町2-3-62
☎086(231)1147
9:00~19:00営業
不定休
ル・モンド

世代を超えて日常に
そっと寄り添ってくれる

紹介者・高田加奈子さん(飲食店 若女将・38歳)

憧れの特等席で、昔ながらのナポリタンを満喫。「この席は大人数でないと座れないので、座ってみたかったんです」と高田さん


アツアツがうれしい鉄板に乗ったナポリタンスパゲティ680円(税別)

 子どもの頃、両親に連れられて来ていた覚えがあります。頻繁に通うようになったのはここ数年のこと。どこか懐かしい雰囲気が漂う、この空間が心地よいと感じるようになったのは、私が大人になった証かもしれませんね。

 ここへは親しい人とじっくり話がしたい時に訪れます。店内に流れているジャズが自然に会話を弾ませてくれるんです。

 利用したことはありませんが、公衆電話のお部屋があるのも、昭和の時代を感じますね。

 先日、父を連れてモーニングへ。とても気に入ったらしく、今では母とのデートスポットになっています。

昭和50年創業。ノートを広げて勉強する学生、パソコンを開いて仕事をするサラリーマン、朝には地元のお年寄りの姿も多く、地元の人たちの憩いの場です。最近ではご当地連島レンコンのカレードリアや焼きサバのホットサンドなど、新しいメニューも取り入れています。

ル・モンド
倉敷市神田3-9-8
☎086(448)0341
8:00~20:00営業
※モーニングは11:00まで ※ランチは11:00~16:00
無休
名曲喫茶 時の回廊

蓄音機や楽器に囲まれて…
〝時〟が奏でる異空間へ

紹介者・中尾清子さん(介護職・28歳)



壁掛け時計やオルガンなどの装飾品は多くが寄贈されたもの

表面はサクッと、中はしっとりとしたチーズケーキ450円

 まるで映画の世界に迷い込んだかのような異空間。壁に並べられた音楽家の写真や、それぞれが違う時を示す壁掛け時計、レトロな楽器たち、流れるクラシック…。全てが、思わず時間を忘れてくつろいでしまう魔法をかけてくれます。

 お店に設えられた本棚から絵本を1冊持って席へ。それを読みながら、ケーキセットを味わうのが私の過ごし方。ここのチーズケーキは特にお気に入りで、一口食べるごとに自然に笑顔になります。オーナーのお母さんの手作りだそうです。

 初めて訪れる時にはほとんどの人が迷うという、この立地も特別感があって良いですね。外観は廃虚風、中はアンティークの並ぶヨーロピアンな世界。たまりません。

オーナーの黒下兼多さんが名曲喫茶に出会ったのは東京・高円寺にある「ネルケン」。ここで大きな感銘を受け、岡山にも作りたい、と東京にある数々の名曲喫茶を巡り、瀬戸内海を見下ろせる山の中にオープンしました。

 店内は今にもコンサートが始まりそうな雰囲気の回廊式。曲は約3000枚のレコードから、お客さんの雰囲気で黒下さんがチョイス。リクエストに応えることも。

名曲喫茶 時の回廊
倉敷市下津井田之浦1-16-22
☎070(5522)1622
10:00~18:00営業
水曜定休
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全国1700軒以上の純喫茶を巡り、「純喫茶、あの味」などの本を執筆してその魅力を紹介している
難波里奈さんにお話を聞きました。

店主の個性が詰まった店内は、一つとして同じものがない

「クリームソーダ純喫茶めぐり」グラフィック社、1680円(税別)、A5判、176ページ

 純喫茶の魅力は、並々ならぬこだわりを感じられる内装、お店の人たちのお人柄、どこか懐かしくもあり新しくもあるさまざまなメニュー、時間を忘れてゆっくりと過ごせる空間などいくつもあるのですが、店主たちの好きなもの・憧れがぎゅっと詰まった店内は、1000軒訪れても一つとして同じお店はなく、訪れるたびにわくわくした気持ちを感じることができるのです。

 現在ではSNSの普及により、どなたでも「好きなもの」「かわいいと感じるもの」を気軽に記録に残せるようになりました。昔ながらの純喫茶にあるものたちは、若い人たちの目に新鮮ですてきなものとして映るのでしょう。周りの人たちに迷惑を掛けなければ、楽しみ方は人それぞれ自由だと考えています。

 その日の気分で誰かとおしゃべりをしたり、または一人でひっそりと読書をしたり、あるいは今では貴重になった昭和のインテリアを愛でながら、お店の人たちに当時の話を伺うのも楽しいかもしれませんね。

難波里奈さん

難波里奈さん
東京都在住。東京喫茶店研究所2代目所長。日中は会社員として働き、仕事帰りや休日にひたすら純喫茶を訪ねる日々。「昭和」の影響を色濃く残すものに夢中になり、当時の文化遺産でもある純喫茶の空間を日替わりの自分の部屋として楽しむようになる。「純喫茶コレクション」「純喫茶へ、1000軒」「純喫茶、あの味」「純喫茶とあまいもの」「クリームソーダ純喫茶めぐり」など著書多数。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2018年10月6日号掲載

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