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日本の古き良きを守り、つなげる 古民家で大人の秋休み


どこか懐かしい雰囲気が落ち着く―。のんびりとした秋の一日が楽しめる、県内の古民家を紹介します。

日本の古き良きを守り、つなげる 古民家で大人の秋休み

 どこか懐かしい雰囲気が落ち着く―。日本の伝統的な住まいの良さが見直され、また空き家問題などの社会的な背景からも近年、古民家が注目を集め、古民家を使ったお店のブームも静かに続いています。のんびりとした秋の一日が楽しめる、県内の古民家を紹介します。

食事伝統が息づくクラシカルな空間で愛情いっぱい手作りイタリアンを

noBu内観
noBu料理

「カジュアルミニコース ミモザ」(1296円)※写真のピザは2人前

 高島駅から北へ徒歩10分、新しい住宅が多く立ち並ぶエリアに、突如として現れる立派な古民家。ここは、明治3年に建てられた築約150年の古民家で、大石準一さん・伸子さん夫妻が、3年半前から古民家ダイニング「ノブ」を営んでいます。

 もともと牛窓でペンションを経営していた大石さん夫妻。これまでの経験を活かして、自分たちが作る料理を提供できる場所がないかと探していたとき、この場所と出会ったと言います。「初めて見たとき、私たちのおもてなしの理想の雰囲気で、ここだ! と思いました。趣味で制作した染め物や集めた骨とう品を飾るのにもぴったりで…。古い建物だから手も掛かりますけどね」と伸子さん。

 店内は、赤いじゅうたんが敷き詰められ、アンティーク調の家具と見事にマッチ。窓越しには日本庭園が広がり、ゆったりとした時間が流れます。

 ランチタイムには、「体においしい野菜をふんだんに」をコンセプトにした、「カジュアルミニコース ミモザ」が楽しめます。契約農家から仕入れた新鮮な季節の野菜10種類がいただける一皿は、野菜のおいしさを引き出す切り方や調理方法で舌を楽しませてくれます。ピザ生地、ドレッシング、デザートまですべて手作りし、手間を惜しまない愛情のこもった料理で多くのファンを魅了しています。

古民家Dining「noBu」
岡山市中区中井2-4-35
☎0︎86(201)0726
ランチ11:00~14:30(14:00OS)
※ランチタイムの予約は不可 ディナータイムは予約営業
木曜定休

体験遠い昔にタイムスリップ 週末はそば打ち体験を

八塔寺壽光庵外観

趣きあるかやぶき屋根の古民家

八塔寺壽光庵内観

吹き抜けの開放感あふれる空間

そば粉を混ぜる手

水の分量を調節しながら、そば粉を素早く混ぜます

ざるそばとかき揚・野菜天ぷら

ざるそば(600円)とかき揚・野菜天ぷら(300円)

 緑豊かな大自然にかやぶき屋根の古民家や寺院が点在する「八塔寺ふるさと村」。標高400mの高原で、八塔寺の山頂からは、瀬戸内海、中国山地が一望できます。

 ここに建つ古民家は、八塔寺ふるさと村内にある高顕寺の住職が、苫田ダムの建設のために水没してしまう築100年以上の古民家を平成元年に移築したもの。はじめは精進料理の店や民宿として活用していましたが、現在の「NPO法人 八塔寺壽(じゅ)光庵」の石原高志さんが引き継ぎ、手打ちそばの店になったのだそう。

 土・日曜のみ営業する壽光庵は、「そば打ち体験」ができます。体験は、秋田産のそば粉を混ぜるところからスタート。次に水分を入れてまわし、こねた後、広げて切ります。「新鮮なそば粉は香りが良く、食べたときの風味が違います」と石原さん。「切る人によってそばの太さが違うのも面白いんです」と続けます。料金は1人2000円で5人前が作れ、作ったそばは、お土産として持ち帰れます。1週間前までに要予約。定員6人。

石原 高志さん

理事長
石原 高志さん

 また、客室には昔ながらのいろりがあり、座敷では、自然を眺めながらランチタイムには石原さんが打ったそばがいただけます(600円~)。

 タイムスリップしたかのような空間で、週末は特別な体験をしませんか。

NPO法人「八塔寺壽光庵」
備前市吉永町加賀美1220-1
☎︎090(5906)5533
営業時間:土・日曜の11:00〜14:00
そば打ち体験は14:00〜16:00
※12月〜3月は冬期休業

買い物新旧を融合させたリノベーション 人々との出会いの場に

ボワ内観

思わず手に取ってみたくなるような雑貨が所狭しと並ぶ店内

ボワ外観

大きな屋根が特徴のボワの外観

カフェモカパッフェ

定番の「カフェモカパッフェ」864円

コーラル&タスクのポケットドール

コーラル&タスクのポケットドール

カフェスペース

カフェスペースで本を読みながらゆったり過ごすのもよし

 空き家になっていた築120年の古民家を森奈緒さんが親戚から譲り受け、知り合いの大工さんや自分たちの手でリノベーション。古い味わいを残した建築と古道具や雑貨のバランスがすてきな「ボワ」は、1年前の秋にオープンした雑貨とおやつの店。

 店内に並ぶ雑貨は、シンプルでナチュラルなテイスト。「毎日の暮らしを楽しくしてくれて、長く使えるもの」をコンセプトに森さんがチョイス。全国から集まった作家ものから、古民家をリノベーションする際に出てきた古道具、ニューヨーク、ブルックリン発のインテリア雑貨「コーラル&タスク」など、新しいものも古いものも空間になじんでいます。

 店内で楽しめる手作りおやつも人気。「カフェモカパッフェ」864円、「和風パッフェプレミアム」972円は季節を問わずいただける定番メニュー。この秋には、サツマイモを使ったパフェも登場予定。

森 奈緒さん

オーナー
森 奈緒さん

 「お客さまは、小銭を握っておやつを食べに来てくれる小学生から、ご近所に住む80代のおじいちゃんおばあちゃんまですごく幅広いんです。皆さん温かい雰囲気を気に入ってくださって…。古民家を使った雑貨屋ならではのたくさんの出会いを楽しんでします」と森さん。これからも少しずつ手を加えていって、ボワらしい古民家に育てていきたいのだそう。

「ザッカとオヤツ ボワ」
美作市明見517
☎0︎868(72)1010
10月は10:00~16:00営業。19・22・23・29・30日が休み。
11月からは、11:00~17:00営業。日・月曜定休
正田 順也さん

正田 順也さん

職人技と生活の知恵が詰まった古民家

(一社)岡山県南部古民家再生協会の代表理事・正田順也さんに聞きました

 古民家は、「農家住宅」「魚屋」「商屋・町屋」「武家屋敷・侍屋敷」の4つに分類され、建っている場所や間取り、使われ方によっていずれかに当てはまります。

 見た目が古い家だと〝古民家〟と呼ぶ人もいますが、古民家には定義があります。①築50年以上経過している②梁や柱を使った木造軸組工法である③コンクリート基礎ではない伝統工法である―。これらを満たしたものが古民家です。

 伝統工法は、建物の基礎部分が、礎石という自然石に柱がのせられ、石の凸凹に合わせて木が切られている「光付け」という技術が用いられているかどうかで判断できます。昔の職人の技術の高さを感じられる手仕事です。

 機会があればぜひ見てもらいたいのが、古民家の小屋裏。屋根の一番高い棟(むね)に当たるところには、上棟した日や家族の名前、棟梁の名前などが記された棟札が残っていることがあります。

 また、古民家の梁や柱が真っ黒になっているのは、土間にあるいろりやかまどを使うことで、煙でいぶされてすすけてしまったから。町屋の間口が狭いのは、間口の幅で税金が決まっていたから―など、古民家へ足を運ぶ際はいろいろな視点で建物を見てみてください。

光付け

光付け

 古民家ブームが続き、再生・利用を検討する人が県内でも多く見られますが、私たちの協会が最も重きを置いているのは、どのような工程で再生を行ったかです。表面的な美しさにとらわれがちですが、詳細まで調査を行い、劣化した部分は根本から修理・修復することで古民家を長持ちさせ、日本の伝統を残すことにもつながります。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2018年10月20日号掲載

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