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30代と60代の読者の不安に答える FP紙上マネー相談


11月11日は「FP(ファイナンシャル・プランナー)の日®」。読者のお金の質問に答えてくれました。

30代と60代の読者の不安に答えるFP紙上マネー相談

 11月11日は「FP(ファイナンシャル・プランナー)の日®」。「夫がもうすぐ定年退職。老後資金が不安」という60代と「これから子どもの学費がどれくらいかかるの?」という30代。2人の読者のお金の質問について、FPの濱尾壽一さんと甲藤裕子さんが答えてくれました。

FP紙上マネー相談参加者

読者

井手政代さん

67歳、夫婦2人暮らし(岡山市在住)。専業主婦。娘2人は独立し県外在住

読者

洲崎都さん

33歳、夫婦と子どもの3人暮らし(岡山市在住)。現在、失業手当をもらっており、求職中

FP

甲藤(かっとう)裕子さん

主婦からファイナンシャル・プランナーに。AFP。得意分野は保険

FP

濱尾壽一さん

「岡山ファイナンシャルプランナーズ」代表取締役。CFP®。相続診断士。得意分野は資産運用

夫の退職、子どもの留学…予定通りにいかないのが人生

井手  来年、主人が定年退職。年金だけでやっていけるのか、不安を感じています。 甲藤さんと濱尾さん
濱尾  夫婦の年金合計の全国平均値は、厚生年金の場合は月23万円、国民年金だと月6万5000円(平成25年4月~9月の年金額、厚生労働省発表)。毎年届いているねんきん定期便をチェックしたり、年金事務所に直接出向いて確認しましょう。一般的に、夫婦の生活費は25万円前後といわれています。
井手  夫が先立った場合私だけの年金で食べていけるのかが不安です。
濱尾  女性が専業主婦で、例えば夫の年金が15万円、妻の年金が7万円前後だとすると、夫15万円の4分の3程度が遺族年金としてもらえます。現役時代に妻の方の収入が高く、妻の年金額の方が多ければ、多い額の方を選べます。
井手  人生は予定通りにいかないもの。主人が20年勤めた会社を突然退職したり、長女が留学したり、大学院に行きたいと言い出したり。長女の学費と次女の大学進学が重なり、給与が入って3日後にはマイナスになるような生活が続いたこともあります。でも、一時的なものと分かっていたので、苦しかったけれど乗り切れました。苦しい時期でも、300万円の蓄えにだけは手を付けませんでした。
甲藤  生活費が足りないという現実に直面してもパニックにならず、井手さんは〝今の時期だけ〟と思いながら乗り切ったことが素晴らしいです。
濱尾  蓄えがあったから予定外の支出が続いても慌てなくて済んだのでしょう。

お金の問題で困るとき〝かかりつけFP〟がいると心強い

洲崎  学資保険はかけていますが、先々の教育費をどれくらい用意しておけばいいですか。 井手さんと洲崎さん
濱尾  進む道によって全く異なります。地元国立大学に行けば、授業料は年間54万円、4年間で216万円、入学金が28万円、合計額が244万円。一方、私立大学は大学によって異なり、私の長女の通った大学は年間で80万円、県外だったので家賃が4年間で480万円プラス仕送り月5万円。合計約1040万円かかりました。次女は芸術系大学だったのでさらに高く、年間の授業料は160万円でした。
一同  はあー(ため息)。
濱尾  給与が3日でなくなったという井手さんの話はよく分かります。地元の大学に進学するなら車を買ってあげるよと娘に言いましたが、見向きもされませんでしたよ。
甲藤  子どもが分かる範囲で家計の現状を伝え、家族で共有することは必要。進学するのが当たり前ではなく、目標を持って進学してほしいです。これからの子どもたちは世界に出ていく時代。留学や海外研修も視野に入れるとなると、お金はあればあるだけいい。貯められる時期に際限なく貯めておいてください(笑)。
濱尾  中学まで学費無料なので、それまでにしっかり貯めておきましょう。学費は学費、老後は老後と、項目ごとに分けて貯めるのがポイント。
洲崎  今年、35年の住宅ローンを組んだばかり。
濱尾  今、ご主人が31歳、ローン終了時は66歳。定年が60歳とのことなので、定年後の6年分は繰り上げ返済しておくのがお薦め。住宅ローン減税を10年間受けられるので、その減税分を、口座を別にして貯めていき、10年後に繰り上げ返済をしましょう。退職金で返済するという手もありますが、老後資金が減りますから。
甲藤  世の中には、知らずに損をすること、もっと早く知っておけばよかったということが山ほどあります。そういうときに頼りになるのが、金融知識を幅広く持っているFPです。FPという言葉を知っていましたか。
井手・
洲崎
 知りませんでした。
甲藤  私は、FPは家計のホームドクター的存在だと思っています。かかりつけ医のように、かかりつけFPがいると、何かお金の心配があるときに相談ができて心強いものです。中立的な立場でアドバイスしてくれるような信頼できるFPを見つけて、ぜひ賢くFPを使っていただきたい。
編集  最近のお金に関するトラブルの傾向は?
濱尾  貯蓄のない人が非常に増えていると感じています。無駄遣い、経済感覚のなさが原因の一つ。金利の高いカードローンを気軽に簡単に借りられる仕組みが社会問題になっています。支払いが長期化するクレジットカードのリボルビング払い(リボ払い)の相談も増えています。契約前に仕組みをきちんと理解する必要があります。
甲藤  現金、電子マネー、商品券、クレジットカード、おサイフケータイ、仮装通貨など支払い方法がこれだけ多様化しているのに、学校で教わらないまま社会に出てしまう。学校でも低学年のうちから金銭教育がなされるべきだと思います。
井手  一人になってしまったときの年金が不安でしたが、お話を聞いて安心しました。
洲崎  お金のことは難しいイメージがありましたが、自分でも勉強してみようと思います。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2017年10月28日号掲載

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