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頑張る女性のけんしんガイド 自分の健康、後回しにしてない?


家族の笑顔はお母さんの元気があってこそ。女性に知ってほしい、「けんしん」の重要性について紹介します。

頑張る女性のけんしんガイド 自分の健康、後回しにしてない?

 家族の笑顔はお母さんの元気があってこそ。健康を維持するためには、病気の芽を早期に発見することが大切です。分かってはいるけど、自分のことはつい後回しにしがち…。そんなリビング世代の女性に知ってほしい、「けんしん」の重要性について紹介します。

取材協力/岡山県 保健福祉部健康推進課

健診と検診の違い

◆健診
…特に自覚症状がない人の普段の体の状態を把握するためのもの。病気の危険因子の早期発見や、生活習慣病の予防などに役立てるのが目的。特定健診、人間ドックなど。
◆検診
…特定の病気を見つけるために行う検査のこと。例:がん検診
※今回の特集では、両方の意味を含める場合「けんしん」と平仮名表記をしています

がんの罹患率は、30代後半から50代前半にかけて男性を大きく上回る

 30代から50代の女性の中には、子育て・家事・仕事・介護など、毎日フル回転で頑張っている方も多いのでは。

 そんな、〝働き盛り〟の世代に気になるデータが。岡山県の「全部位の年齢階級別罹患(りかん)率」(がんに新たにかかる人の人口10万人当たりの割合)は、20代後半から女性が上昇しはじめ、50代前半にかけて、男性を大きく上回っています(グラフ)。

がんの年齢階級別罹患率(全部位)

全部位の年齢階級別罹患率グラフ

出典:岡山県におけるがん登録2012「全部位の年齢階級別罹患率」

 部位別では、乳がんにかかる人の数が多く、40代から急増し、40代後半から60代前半がピーク。また、子宮がんは20代半ばから50代が多く、女性のがんの死因の上位である大腸がんは40代から増加していきます(※1)。

 働き盛りの世代を直撃するこれらの病気。国立がん研究センターがん対策情報サービスの「がん登録・統計」(※2)によると、女性が生涯で乳がんにかかる確率は11人に1人との報告もあり、決して人ごとではないのです。

出典 ※1岡山県におけるがん登録2012「特定部位の年齢階級別罹患率:男女別」、※2国立がん研究センターがん対策情報サービス「がん登録・統計」がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2012年データに基づく)

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年齢別 女性がかかりやすいがん

◆20代~30代…子宮がん
◆30代後半から…乳がん、子宮がん
◆40代……………乳がん、子宮がん、大腸がん
◆50代……………乳がん、子宮がん、大腸がん

20代~30代半ばまでは子宮がんが最も多く、30代後半からは乳がんが1位に。40代からは乳がんが急増し、大腸がんも増加。50代半ばからは胃がんの割合も増加します。自覚症状がなくても、定期的に検診を受けておくことが大切です。また、少しでも気になる症状がある場合は、検診を待たず、医療機関を受診しましょう。

乳がん・子宮頸がんは、早期発見で治癒する可能性の高いがん 検診の活用を

 県では、国の指針に基づき、胃がん・大腸がん・肺がん・子宮頸(けい)がん・乳がんの検診を推進しています。

 「国・県が推進しているがん検診は、死亡リスクを下げるということが証明されています。中でも乳がん、子宮頸がんは他のがんに比べ、早期発見により、治癒する可能性が高いと言われています」と県健康推進課。早期に見つけることができれば、体の負担も経済的な負担も軽くて済みます。

 各市町村では、健康増進法に基づき、各種検診を実施しています。専業主婦など、検診機会の少ない人を対象に、比較的低額の料金で受けられるのがメリット。

国と県が推進するがん検診

胃がん 大腸がん 肺がん 子宮頸がん 乳がん
対象 50歳以上(※A) 40歳以上 40歳以上 20歳以上 40歳以上
実施回数 1回/2年(※B) 1回/年 1回/年 1回/2年 1回/2年
1回/年 ※D
検診項目 ・問診
・胃部X線 または
 胃内視鏡検査
・問診
・便潜血
・問診
・胸部X線
・喀痰(かくたん)
 細胞診※C
・問診
・視診
・子宮頸部細胞診
・内診
・問診
・マンモグラフィ
 単独
・問診
・マンモグラフィ
+視触診

出典:国のがん検診指針を基に岡山県が作成

※A ただし、当分の間、40歳以上の者に対して胃部X線検査を実施しても差し支えない
※B ただし、当分の間、胃部X線検査に関しては逐年実施としても差し支えない
※C 問診の結果、医師が必要と認める者
※D やむを得ない場合は1回/2年

がん検診と特定健診の2段構えで病気の芽をブロック

 もう一つ、忘れてはいけないのがメタボリックシンドロームに着目した「特定健診」。40代から増え始める生活習慣病を予防するために行われるもので、〝メタボ健診〟とも言われています。

 対象は40歳~74歳の医療保険加入者。岡山県の平成26年度の受診率は43・4%(全国平均48・6%)にとどまっています(※3)。

 「メタボリックシンドロームを放置しておくと、日本人の死因の約3分の1に上る、生活習慣病に結びつく恐れがあります。健診でメタボリックシンドローム、または予備軍と判断された場合は、生活習慣改善のための保健指導が受けられます。特定健診を受けることは将来の病気を未然に防ぐこと。がん検診とともに毎年の習慣にしていただければと思います」と、県健康推進課では呼び掛けています。

※3 出典:厚生労働省特定健康診査・特定保健指導の実施状況

 

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メタボリックシンドロームとは?
 内臓肥満(女性腹囲90cm以上・男性85cm以上)に、「高血圧」「高血糖」「脂質代謝異常」のうち2項目以上が当てはまる状態。放置すると、糖尿病や動脈硬化による脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病を招く恐れがあります。
特定健診の検査項目

質問票(服薬歴、喫煙歴等)/身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)/血圧測定/理学的検査(身体診察)/検尿(尿糖・尿蛋白)/血液検査(脂質検査・血糖検査・肝機能検査)

※一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施する検査…心電図/眼底検査/貧血検査(赤血球・血色素量・ヘマトクリット値)

比較的混雑の少ない今の時期に受診するのも選択肢の一つ

 医療機関によっては、乳がん・子宮がん検診は女性医師が担当する、休日も開院しているなど、受診しやすい環境を整えている施設もあるので、自分が行きやすい医療機関を事前に調べておきましょう。忙しくて行きそびれてしまうという人は「毎年誕生日の翌日に受ける」など、受診時期を決めておくのも手。

 新年度を迎えると職場健診などで混み合うため予約が取りづらい、子どもの学校行事などで忙しくなるという理由から、比較的混雑の少ない今の時期にけんしんを受ける人も。今年度まだ受診していないという方、この機会に受けておきませんか。

専業主婦がけんしんを受けるには?
 特定健診の場合は加入している医療保険者から、がん検診の場合は居住の市町村から受診の案内が届き、指定された医療機関でけんしんを受けることができます。加入している医療保険や住んでいる市町村によって時期や費用、内容が変わるので、受診前に確認を。

岡山市の平成29年度のけんしんは6月~12月に実施予定

 岡山市でも年齢に応じて、さまざまな「けんしん」を実施しています。

 昨年からは、肺がんと乳がん検診が500円で受診できるワンコイン検診がスタート。また、胃がん検診は、50歳以上の偶数年齢の人が対象に。検査方法をX線検査と内視鏡検査の2つから選択できるようになりました(平成28年度のけんしんは昨年12月末で終了)。

 平成29年度のけんしんについては、各家庭に配布される「市民のひろばおかやま」や6月以降に配布される「けんしんガイド」をチェックしてください。

ー岡山市のけんしんに関する問い合わせー

岡山市保健所 健康づくり課 健康増進係
☎086(803)1263

倉敷市の「乳がん」「子宮頸がん」検診は、3月末まで実施中

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 倉敷市では、年齢に応じてさまざまな「けんしん」を実施中。乳がん・子宮頸がん検診は3月末まで実施しています(その他の健診・検診は、例年6月~翌年1月実施)。
※下表の対象者の年齢は今年度中に達する年齢

詳しくは☎086(434)9866
倉敷市保健所 健康増進センター(笹沖170)へ。

●乳がん検診

検診の種類 対象者 自己負担金(H29年3月まで)
視触診検診(問診、視触診) 30歳以上の女性 770歳未満…600円
70歳以上…200円
マンモグラフィ検診
(問診、マンモグラフィ)
40歳以上の女性で、倉敷市の視触診検診を受けて、結果が「精密検査不要」だった人 70歳未満…1000円
70歳以上…400円

●子宮頸がん検診

検診の種類 対象者 自己負担金(H29年3月まで)
子宮頸部細胞診
(問診、子宮頸部細胞診、内診)
20歳以上の女性 70歳未満…1600円
70歳以上…500円
子宮頸部+子宮体部 20歳以上の女性
※医師が必要と認めた人のみ
70歳未満…2200円
70歳以上…700円

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2017年1月28日号掲載

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