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防犯に特効薬なし 小さな積み重ねが家族を守る


岡山県の空き巣、忍び込みの発生実態。
犯罪者があなたのプライベートエリアに入ってこないよう、防犯対策をしましょう。

防犯に特効薬なし 小さな積み重ねが家族を守る

開放的な気分になる夏。窓を開けっ放しにしての留守や、夜間、蒸し暑いから網戸にして窓を閉め忘れた…なんてことはありませんか?犯罪者があなたのプライベートエリアに入ってこないよう、防犯対策をしましょう。また、後半ではパソコンのセキュリティー対策を紹介します。

岡山県の空き巣、忍び込みの発生実態

平成24年主な侵入口(一戸建て)被害件数合計339件(うち無締まりは191件)

※1平成24年中に被害に遭った一戸建てを分析
※2( )内は被害の合計件数に対する無締まりの割合

出典/岡山県警察本部 岡山県戸建住宅防犯診断チェックリスト

「住宅対象の侵入窃盗事件件数」(平成26年・岡山県警察本部)

出典/岡山県警察本部 岡山県戸建住宅防犯診断チェックリスト

留守にする時は2階や小窓にもカギかけを忘れないで!

杉井聡さん

岡山県警察本部
生活安全部統括理事官
兼 生活安全企画課次長

杉井聡さん

泥棒に入られないようにと玄関の鍵をかけてはいても、トイレや風呂場は開けっ放しにしている家庭は多いのではないでしょうか。住宅の侵入窃盗の大半は、鍵が開いているところからの侵入か、窓をドライバーなどで割り、クレセント錠を開けて入る方法です。特に、夏は窓を開けていることが多いもの。「自分の家だけは大丈夫」と思わず、「うちに絶対に入られないようにするにはどうすればよいか」と考え、対策しましょう。

まず、留守にする時にはたとえ2階や小さな窓であっても、家の鍵は必ず全てかけましょう。泥棒は侵入に時間をかけることを嫌います。窓に付いているクレセント錠は防犯用ではなく、室内の気密性を高めるためのもの。従って、窓ガラスに防犯シートを貼ったり、補助錠を取り付けたりすれば、防犯効果が高まります。

風呂などの窓にはしっかりとした格子を付け、足場に使われるような箱などは建物の周囲に置かないことも大切。「こんな所から入れないだろう」と思うところでも、侵入する泥棒もいるのです。また、警備会社と契約を結び、その会社のシールが貼ってあれば、抑止力になるでしょう。

地域ごとに警察と協力しながら見守り活動をするボランティアに参加するのもいいですね。警察から地域で起きた最近の事件についての情報を得ることもできるし、何より自分たちの地域を守ることで、家も守ることになるのですから。

大切なのは、小さいことをコツコツ積み上げること。防犯に特効薬はないことをしっかりと認識しておきましょう。

ホームセキュリティーサービス

犯罪を未然に防ぐために、各警備会社が提供しているさまざまなホームセキュリティーのサービス。住宅事情や家族構成、家族の生活リズムなどを考えて利用するのも一案です。

★家の防犯対策だけでなく、大切な情報を預けられる機能も

「セコム・ホームセキュリティ G-カスタム」は、家に設置したセンサーが異常を感知すると緊急対処員(拠点は全国約2830カ所)が急行。契約者への状況確認の電話連絡に加え、必要に応じて110番や119番に通報。ホームセキュリティ端末に電話番号、健康保険証、服用中の薬の処方せんなどを預かる機能も付属。料金は4860円から(一戸建て月額使用料金一例)。
フリーダイヤル0120-756892 セコム

★旅行中など短期間の契約が可能

旅行など、家を留守にする時に1週間から利用できるサービス「留守宅ガード」。侵入者を検知する据え置き式センサーやコントローラーなどを設置し、異常が発生すると、パトロール員が自宅へ向かう。状況に応じて警察への通報も。料金2万1276円から(一戸建て1週間使用例)。
フリーダイヤル0120-810602セントラル警備保障

★カメラを通じて不審者がいないか見守ってくれる

基本のホームセキュリティサービス「ホーマー」に付加することで、防犯性が高まる今春から始めたサービス「セフティeye」。指定された時間に、カメラを通じて動画で巡回する。不審者を見つけた場合、スピーカーを通じて音声で威嚇(かく)することも。料金3万9960円から(カメラ2台レンタル料込み・一戸建て月額使用料金一例)。
TEL086(231)7485山陽セフティ

防犯○×クイズ

以下について防犯対策になるのか○×で答えてみて

【Q1】 室内が見えないように家の周囲をブロック塀で囲うと良い
【Q2】 家には現金を置かないから大丈夫
【Q3】 雨の日に泥棒は来ない
【Q4】 庭に花や木を植えると良い
【Q5】 近所に落書きや放置自転車があってもわが家には影響ないと思う
【Q6】 近所の人と交流を深めている
【Q7】 窓下に奥行き1m以上の植え込みを作ると侵入されにくい
【Q8】 家の敷地内に砂利を敷くと良い
【Q9】 侵入時間が10分以上かかると、泥棒はあきらめる確立が高くなる
【Q10】 鍵は二重ロックにすると良い

被害額は毎年増加!ネット社会にはびこるサイバー犯罪

インターネットはバーチャルな社会そのもの。その社会の入り口になるパソコンやスマートフォン、タブレットも犯罪者に狙われています。そこで最近のサイバー犯罪について、セキュリティー対策に詳しい森本純さんにお話を伺いました。

最近のサイバー犯罪は悪質で巧妙 金銭目的の詐取が主流

森本純さん

トレンドマイクロ マーケティング戦略部
コアテク・スレットマーケティング課
シニアスペシャリスト

森本純さん

最近のサイバー犯罪の傾向は金銭目的が主流です。直接金銭を要求したり、クレジットカードやネットバンキングの情報、ネットショッピングやSNSのIDやパスワード、メールアドレス、電話番号などの個人情報を取得したりするのが目的です。

警察庁によると、平成26年に発生したネットバンキングの不正送金被害は、29億1000万円。平成25年の14億600万円から、被害額は1年でおよそ2倍に増えています。

多発しているのは「ネットバンキングの不正送金」と「身代金要求ウイルス(ランサムウエア)による脅迫」です。

これらからパソコンを守る方法は主に2つ。一つ目は、ウィンドウズなどのOSとアプリケーションソフトを更新し、常に最新の状態に保つこと。ソフトにはプログラミング上、不具合による穴のようなものがあり、その穴を利用してウイルスが入ってくるため、その穴を防ぐ作業である更新が必要なのです。もし更新しないでいると、ウェブサイト閲覧中にウィンドウズOSやジャバ、アドビ・アクロバットリーダーなどさまざまなソフトにあるセキュリティ上の穴を突いて感染するリスクが高まることに。

イメージイラスト

二つ目は、危険なウェブサイトなどをブロックする機能を合わせ持つ総合セキュリティーソフトをパソコンで利用すること。無料ソフトはウイルスを捕まえるだけの場合があるので、総合セキュリティーソフトを利用しましょう。そして常に、最新バージョンにして使うことです。

この2つの対策をすることが、サイバー犯罪の被害に遭うリスクを避ける基本になるのです。

ネットバンキングを狙うウイルス オンライン銀行詐欺ツール「Banking Trojan」

パソコンにウイルスを感染させ、送金に必要な認証情報を盗み、その情報を使って不正送金する手口です。

ウェブサイト閲覧中に、インターネットエクスプローラーなどのブラウザソフトがウイルスに感染。そのパソコンから銀行などの正規ウェブサイトにログインするとウイルスが自動的に作動します。通常出てこない「口座暗証番号」の項目や「乱数表」などが正規ウェブサイト上に一部だけ重なるように表示され、ユーザーがその項目を入力すると犯罪者は情報を取得。口座の持ち主になりすましてログインし、不正送金します。

対策

正規の銀行ウェブサイトにアクセスしていても注意すること。いつもと違う画面が出てきたら、一旦やめて直接銀行に電話で確認を

パソコン内のデータをアクセス不可能にし、回復の対価を要求する身代金要求ウイルス

ランサムウェア(身代金要求ウイルス)の「ランサム」とは英語で身代金のこと。ウェブサイト閲覧中に感染すると、パソコン上のファイルを暗号化します。ユーザーがデータにアクセスできなくなり、データを回復させるために金銭を要求する警告画面が表示されます。しかも払ったからといってデータにアクセスできるようになるかは不明なうえ、お金を払うために連絡することで電話番号やメールアドレスなどを犯罪者に通知することに。さらに悪用されるかもしれないので、絶対に連絡しないで。

対策

(1)事前にパソコン内にあるデータをCD-Rなどへバックアップを取っておく
(2)お金を要求されても、相手に連絡を取らない。メールアドレスや電話番号を通知することになり、さらに悪用される可能性も

身代金要求ウィルス感染時に出てくる画面

身代金要求ウィルス感染時に出てくる画面。データを暗号化したことを通告している。データにアクセスできなくなるため、大切な仕事のファイル、家族の写真や動画も台無しに

暗号解読ソフト」の購入をすすめる画面

暗号化したデータを回復する「暗号解読ソフト」の購入をすすめる画面。しかし購入しても、データが元通りになる保証はない
画像提供/トレンドマイクロ

「防犯○×クイズ」の答え

【A1】
×
高いブロック塀だと不審者が家の敷地内にいても、周囲は気付きにくいもの。見通しの良い高さの生け垣や乗り越えにくい縦格子の柵などがおすすめ
【A2】
×
自宅に現金がなくても、お金になる個人情報も狙われる可能性がある
【A3】
×
天候などの状況を深く考えずに、侵入しようとするタイプもいるので注意が必要。雪国では、雪が降った日に侵入して足跡を残す泥棒も
【A4】
○
視界を遮るほど茂っている木はNGだが、よく手入れされた花や木は、〝住民が家の周辺に気を配っている〟と泥棒に警戒心を抱かせる。また、近所とのコミュニケーションのきっかけになり、不審者対策にも。東京都杉並区では、空き巣被害にあった100世帯を対象に調査したところ、玄関先や庭に花を植えている家の被害は2軒だけだったという結果も
【A5】
×
近所の壁などに落書きや放置自転車がそのままにされていると、地域住民の防犯に対する意識が低いと思われ、犯罪者に狙われやすくなる
【A6】
○
侵入者は近所づきあいが良く、連帯感のある住宅街を嫌うもの。犯行をあきらめた理由に近所の人に声をかけられたり、じろじろと見られたりしたというケースが多い
【A7】
○
奥行きが1m以上あると解錠に手こずるという実験結果が出ている。泥棒は時間を掛けずに侵入したいので、防犯に効果的
【A8】
○
砂利を踏む音は意外と聞こえるため、侵入者に気付きやすい。「防犯砂利」だと、踏む音が約70デシベル(掃除機の音くらいの大きさ)もある上に、無臭・無菌のため雑草が生えにくいというメリットも
【A9】
×
侵入者の約5割が侵入に2~5分かかるとあきらめる、というデータが出ている。2分以内だと、あきらめる割合が2割以下に。なるべく、侵入に時間がかかるように防犯対策をするのが良い
【A10】
○
CPマーク

CPマーク

玄関や窓の鍵を二重ロックにすると侵入に時間がかかる。泥棒の34%が、侵入をあきらめた理由に補助錠の設置を挙げている。
鍵は「CPマーク(※)」付きのものがおすすめ

(※)「CPマーク」とは「防犯=Crime Prevention」の頭文字「C」と「P」をシンボル化したもの。「防犯性の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」の定めた基準に基づき、性能試験などを経て、一定の防犯性能があると評価された錠、ガラス、ドア、サッシ、シャッターなどの製品に使用が認められている

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2015年7月11号掲載

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