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街で島で現代アート!


世界で活躍するアーティストの作品が、岡山市の街中や、香川の島々に集結。この秋、現代アートの魅力を体感しよう。

街で島で現代アート!

 世界で活躍するアーティストの作品が、岡山市内の街中や、香川の島々に集結。この秋開催の「岡山芸術交流」と「瀬戸内国際芸術祭」で、現代アートの魅力を体感しよう。五感が刺激され、感覚的に楽しめる作品もあれば、思考を巡らせることができる作品も。既存の枠を超えた表現が面白い現代アートの世界をのぞいてみましょう。

岡山芸術交流2016

テーマ〝開発〟
岡山初の大型国際展

 10月9日(日)~11月27日(日)に開催される「岡山芸術交流2016」は、世界16カ国から31組のアーティストたちが参加する、岡山初の現代アート大型国際展。美術館や文化施設がひしめく岡山のカルチャーゾーン一帯が会場となり、歴史的な建築物も生かしながら展示されます。テーマは〝開発〟。〝見る目〟の開発、歴史・文化・街の再発見といった意味が込められているそう。

 県庁広場や県立図書館など、普段から慣れ親しんでいる場所に突如として現れる現代アートの数々。日本初公開の作品や、作家が何度も岡山を訪問して制作した作品も登場します。「何これ?」と驚いたり、面白がったりしながら、あなたの発想や想像力を〝開発〟してみては。

岡山芸術交流2016

 日本の近代建築の巨匠・前川國男の建築物の数が、岡山は西日本一。その前川建築(県庁、林原美術館、天神山文化プラザ)などの会場を巡ることで、現存する文化遺産の価値を再認識することができるかも。シネマ・クレールの壁面など、チケットなしで鑑賞できる作品もあります。プレイベントやトークイベントも実施。

展示作品の画像

Exhibition view Documenta 13, Karlsaue Park, Kassel, Germany, 2012
© Pierre Huyghe Courtesy of the artist and Esther Schipper, Berlin
Photo: © Andrea Rossetti

林原美術館の庭で展示

ピエール・ユイグ

 裸婦像の頭部をすっぽり覆っている物体は、本物の蜂の巣。展示直前まで山田養蜂場で大切にお世話されて育ちました。林原美術館の庭でどう設置されるのかも見ものです。(写真はドイツの芸術祭「ドクメンタ」での展示の様子。蜂の巣も異なります)

展示作品の画像

Toodaloo Vantongerloo (Of friends and rivals), 2016
© Ryan Gander. Courtesy of the artist and Johnen Galerie. Image Rik Vannevel.

旧福岡醤油建物前で展示

ライアン・ガンダー

 出石町にある旧福岡醤油建物の斜め前の駐車場に、宇宙から隕石のような物体が突然落ちてきたら…。SFのような世界が出石町に広がり、想像力がかき立てられます。

展示作品の画像

Untitled (Mobile), 2008/09 Installation view, 2009
Palacio de Cristal, Madrid, Spain
© Peter Fischli David Weiss

オリエント美術館で展示

ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイス

 ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞するなど世界から高い評価を受けるスイスの現代アーティストの2人組、ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスの作品は必見。ネズミとクマのモビールがオリエント美術館の天井から吊り下げられます。(写真はスペインの会場の展示)

展示作品の画像

© 2016 LAWRENCE WEINER — ARS / JASPAR, Tokyo
Mock-Up Photograph
Courtesy of Moved Pictures Archive, NYC

シネマ・クレールで展示

ローレンス・ウィナー

 言語を核にした作品を作るローレンス・ウィナー。シネマ・クレール丸の内をキャンバスにした作品の「半分始まっていて半分終わっているもの」という問いかけに、あなたならどんな答えを出す? 9月23日(金)に先行公開。

プレイベント
鼎談「蔭凉寺で“開発(かいほつ)”について語り合う」

日時/10月1日(土)16:00~18:00
会場/蔭凉寺(北区中央町10-28)
登壇者/大森雅夫さん(岡山市長・岡山芸術交流実行委員会会長)、篠原真祐さん(蔭凉寺住職)、
 木ノ下智恵子さん(岡山芸術交流パブリックプログラムディレクター)
参加費/無料

アーティストトーク

日時/10月9日(日)15:00~(予定)
会場/岡山県立図書館(北区丸の内2-6-30)
内容/アーティスティックディレクターのリアム・ギリックと参加アーティストによるトーク。
 作品はもちろん、展覧会の見どころにも注目。
参加費/無料

リアム・ギリックのデザインした目のマーク

アーティスティック
ディレクターの
リアム・ギリックの
デザインした
目のマークが目印

概 要

◆会期/10月9日(日)~11月27日(日)
◆会場/旧後楽館天神校舎跡地、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、旧福岡醤油建物、シネマ・クレール丸の内、林原美術館、岡山城、岡山県庁前広場、岡山市内各所
◆主催/岡山芸術交流実行委員会(岡山市、公益財団法人石川文化振興財団、岡山県ほか)

観賞券
前売引換鑑賞券 当日鑑賞券
岡山県民(岡山県在住者) 1,000円
(前売りのみ)
一般 1,300円 1,800円
学生(高校生・専門学生・大学生) 1,000円 1,200円
シルバー(満65歳以上) 1,300円
団体(8人以上) 1,300円
・前売り引換鑑賞券の販売は10月8日(土)まで。
ぎんざやプレ イガイドなどで販売 ※中学生以下は無料

【問い合わせ】
TEL.086(221)0033 岡山芸術交流実行委員会事務局

瀬戸内国際芸術祭2016

テーマ〝海の復権〟
高見島、本島、粟島に注目!

 3年に1回開かれ、今年で3回目を迎える「瀬戸内国際芸術祭」。瀬戸内の島々の〝海の復権〟をテーマに、美しい自然や伝統文化の魅力を生かした現代アートを世界に発信します。10/8(土)~11/6(日)の秋会期で注目したいのは、有名アーティストが初出展する本島。ルクセンブルク出身のツェ・スーメイ、ロシア出身のアレクサンドル・ポノマリョフによる壮大な作品をお楽しみに。高見島では、京都精華大学の教員や学生、卒業生らが制作や島巡りのルート設定などで活躍。粟島では第1回に発足した「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」が、さらにパワーアップしています。

数字は作品番号

本島

 人口468人。戦国時代まで、塩飽(しわく)水軍の本拠地として繁栄した島。本瓦ぶき、しっくい塗りの白壁…。今も残る街並みに、当時の栄華を感じます。高度な造船技術を持っていた塩飽大工や木造船、瀬戸内海を訪れたシーボルトにまつわる作品9点が迎えてくれます。
※人口はいずれも2016年1月1日現在

展示作品の画像

142 ※作品イメージ

そらあみ<島巡り>

五十嵐 靖晃

 赤、白、黒、黄色、水色の5色が鮮やかにたなびく波打ち際。本島で漁師と島の人が編んだ漁網を、春会期の沙弥島など5島で制作された漁網につなぎ、海に向かって垂直に設置。刻々と変わりゆく景色を網越しに眺めてみて。
鑑賞自由

展示作品の画像

144 ※作品イメージ

Moony Tunes

ツェ・スーメイ

 かつて石の産地だった本島では、大坂城まで運び出していたそう。石と潮の満ち引きをつくり出す「月」と、宇宙と海の関わりの中で「島」を表現するインスタレーション。
OPEN/9:30~16:30、無休
料金/300円

高見島

 人口44人の島。昭和30年代に栄えた産業で、蚊取り線香の原料となる除虫菊のほか、塩や古民家の記憶、祭りを題材にした作品9点が登場します。

展示作品の画像

150 ※作品イメージ

錆色の旅

若林 亮

 目の前は海。光を反射しながら静かに佇む船は、家電品や日用品などの不要品で組み上げたもの。表面を磨き上げたシルバーと青空の美しいコントラストも楽しめます。フォルムは引退した高見島の定期フェリー「新なぎさ号」がモデル。
鑑賞自由

粟島

 人口257人。明治30年、日本初の海員養成学校が設立され、昭和62年に廃校後は「粟島海洋記念館」として保存されています。島の廃校を中心に、海に関連する作品8点が並びます。

展示作品の画像

156 撮影:高橋 公人

展示作品の画像

157 撮影:高橋 公人

瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト
「一昨日丸」「ソコソコ想像所」「Re-ing-A」

日比野 克彦

 美術館に見立てた船「一昨日丸」には、海底から引き揚げた品々を展示。また、日比野さんらが実際に水深約20mから見つけた、約100年前のレンガを使用した構造物を「Re-ing-A」(れいんが)と題して披露。
OPEN/9:30~16:30、無休
料金/500円
※「一昨日丸」「ソコソコ想像所」「Re-ing-A」、SOKO LABO OPEN共通

本島、高見島、粟島へのアクセス

1.児島観光港ー本島
所要時間/約30分 料金(片道)/大人640円、子ども320円
六口丸海運 TEL.086(474)6199
2.本島ー高見島
所要時間/約25分 料金(片道)/大人1000円、子ども500円
3.高見島-粟島
所要時間/約15分 料金(片道)/大人700円、子ども350円
2.3.とも…にじ観光 TEL.0877(24)6300

秋会期の会場

瀬戸内国際芸術祭2016会場マップ
クリックで大きな画像を表示

※赤字が今回紹介した会場

作品鑑賞パスポート
当日
一般 5,000円
高校生 3,500円
・有効期間中、1作品1回限り有効
・地中美術館・豊島美術館は1回のみ、鑑賞料が1000円に

【イベントの問い合わせ】
TEL.087(813)0853 瀬戸内国際芸術祭 実行委員会事務局

【チケットの問い合わせ】
TEL.087(811)7921 芸術祭チケットセンター

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2016年9月24日号掲載

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