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必要なのは、みそ・みりん・酒・砂糖と探究心! 老舗みそ屋のみそ床レシピで漬けラクごはん


ごはんのおかずも、酒のさかなも、みそ床に漬けるだけ。
老舗みそ屋さんが教えてくれたみそ床レシピをもとに、いろいろな食材を漬け込んでみました。

必要なのは、みそ・みりん・酒・砂糖と探究心!老舗みそ屋のみそ床レシピで漬けラクごはん

 一番おいしいといわれる寒仕込みのみそが食べごろを迎える秋。みそ漬けに挑戦してみませんか。ごはんのおかずも、酒のさかなも、みそ床に漬けるだけ。明治5年創業の老舗みそ屋さんが教えてくれたみそ床レシピをもとに、合わせみそと白みそ、2種類のみそ床でいろいろな食材を漬け込んでみました。

島田啓太郎さん

この人に聞きました

備前味噌醤油島田啓太郎さん

いつもは白みそのみそ床で漬けるという島田さんに、岡山で最も一般的な合わせみそ(米みそ)でも、ベストな配合を考えてもらいました。

味噌漬け

保存版 2つのみそ床レシピ

合わせみそのみそ床

合わせみそ(米みそ)200g
みりん   大さじ3
酒     大さじ1
砂糖    大さじ2(または甘酒100g)

白みそのみそ床

白みそ   200g
みりん   大さじ2
酒     大さじ1
砂糖    大さじ1(または甘酒50g)

※みそも甘酒も麹菌を発酵させて作られるので、とても相性が良く、砂糖よりもまろやかで、コクのある味わいに

タコ

タコ

【漬け時間】
合わせみそは半日~1日、白みそは2日程度。
【ポイント】
生のタコでもよいが、ゆでたタコの方が手軽。薄くスライスして酒のさかなに。イカの刺身を合わせみそに半日漬けて、イカの塩辛のようにお茶漬けにするのもおすすめ。
木綿豆腐

木綿豆腐

【下準備】
キッチンペーパーに包んで30分ほど重しをするなどし、水切りをしておく。
【漬け時間】
2cmほどの厚みに切った状態で、合わせみそに3日以上。
【ポイント】
ガーゼなどに包み、じっくり漬け込むと、チーズのような食感に。塩味があるので、少量ずつ酒のさかなに。食塩不使用のクラッカーにのせて食べても。
プロセスチーズ

プロセスチーズ

【漬け時間】
合わせみそで3~4日。
【ポイント】
木綿豆腐と同じ要領で漬けるので、並べて一緒に漬けても。カマンベールチーズやクリームチーズを漬けても、おつまみにぴったりの一品に。
鶏もも肉

鶏もも肉

【下準備】
皮目にフォークなどで刺して穴を開けておくと、皮が縮まず、よく漬かる。
【漬け時間】
合わせみそで半日~1日。
【ポイント】
ポリ袋などに少量のみそと1枚のままの鶏もも肉を入れ、よくもみ込む。ささみやむね肉、手羽先や手羽元などでも。
豚肩ロース

豚肩ロース

【下準備】
筋切りをしておくと、焼いても縮まない。
【漬け時間】
しょうが焼き用なら2、3時間、トンテキ用なら2、3時間~半日、合わせみそに漬ける。
【ポイント】
適度に脂のある部位の方が、おいしく感じられるので、もも肉より肩ロースがおすすめ。塩分が気になる場合は、キッチンペーパーなどで、みそをしっかりふき取ってから焼く。
野菜

野菜(キュウリ、ニンジン、大根、ナス、セロリ)

【下準備】
野菜に適量の塩をまぶして余分な水分を抜いておく。
【漬け時間】
合わせみそなら2、3時間~半日、白みそなら3日程度。
【ポイント】
キュウリは両端を切るだけ、ニンジンも縦に半分か4分の1に切って漬けるなど、野菜はなるべく大きいまま、みその量は野菜にまぶす程度に。手で大きめにちぎったキャベツや、ミョウガを漬けても美味。
卵黄

卵黄

【漬け時間】
おかずにするなら1日、酒のさかななら3日以上。

※詳しい漬け方は記事後半で

魚

【下準備】
キッチンペーパーで表面の水気をふき取っておく。
【漬け時間】
合わせみそなら2、3時間~半日、白みそなら3日程度。
【ポイント】
切り身の表面にみそを薄くぬる要領で漬ける。サケのほか、サワラやタイ、サバ、ブリなどもおいしい。脂の多い魚は少しだけ長めに漬ける。

編集部で漬けてみると…

 合わせみそ(米みそ)の塩分は12%前後で、白みそ(塩分6%前後)の倍以上あるので、漬け時間はとても重要。いろいろ試してみた結果、合わせみそで漬けるなら2、3時間から半日程度、白みそなら、じっくり2、3日漬けると、みその風味を楽しみながら、おいしく食べられます。

 肉には合わせみそ、魚には白みそがよく合います。野菜はどちらも合いますが、浅漬け感覚で食べたいなら合わせみそ、ほんのり甘みのある漬物が好きなら、白みそがぴったり。豆腐、チーズ、卵黄のみそ漬けは、じっくり漬け込んで〝うま味のある塩味〟を楽しむ酒のさかなに。ごはんのおかずにするには、塩味が強いかもしれません。

覚えておこう!

食材を漬けたら、必ず冷蔵庫へ。
漬けた後にそのまま食べる食材と、肉や魚を漬けるみそ床は必ず分けましょう。
同じみそ床を使うのは2回程度に。残ったみそ床は、みそ炒めなどに使えます。
形がくずれやすい魚は、タッパーなどを利用して漬け込み、野菜や肉などは、
 ポリ袋やストックバッグに入れて漬けると、使うみそが少量ですみ、便利です。

みそ漬けの魅力と注意点

(管理栄養士・人見典恵さん)

 みそは、麹(こうじ)菌、酵母菌、乳酸菌など、多種が含まれる発酵食品。野菜に塩を加え、空気中や素材の表面に付着した乳酸菌を取り込んで熟成する漬物と比べ、直接、乳酸菌などが含まれるみその中に漬け込むので、短時間で作れるのが魅力です。また、肉や魚は、みその持つタンパク質分解酵素と、それを活性化させるPH5(酸性)の性質が作用し、肉質がプリッとした食感になり、やわらかく食べられます。

 さまざまな食材をおいしくするみそ漬けですが、合わせみそではなく、白みそを使ったとしても塩分は多くなります。食べすぎにはご注意を。

1週間、漬け続けて分かったみそ漬けの奥深さ

 備前味噌醤油の島田さんがいつも使うのは、白みそのみそ床。漬ける食材も、豚肉、鶏肉や、サワラ、サケ、タイ、タコ、ブリ、サバといった魚が中心です。今回、編集部では、島田さんに教えてもらったみそ床で、肉と魚以外の食材も漬けてみました。1週間、いろいろな食材を漬けてみて分かった実験の成果を報告します。

卵黄のみそ漬け

ガーゼの代わりに使っているのは、油こし紙。あく取りペーパーや水切りネットなども使い捨てができて便利。すべて100円ショップで手に入ります

塩辛い? ちょうどいい? 卵黄のみそ漬け

 お酒が大好きな島田さんが、おつまみにぴったりと教えてくれたのが、卵黄のみそ漬け。24時間ほど漬けると、写真のように、黄身が固まり始めます。3日ほどたって、全体が鮮やかなオレンジ色に変わったら食べごろとのことですが、塩辛いと感じる人もいるでしょう。

 酒のさかなに、みその風味と塩味を一緒に楽しむなら、3日以上じっくり漬け込んでください。少し塩味を抑えたいなら、白みそのみそ床に漬けます。ごはんのお供にするなら、24時間でそっと取り出して、アツアツの白ごはんにのせて召し上がれ。何杯でもお代わりできます。

白みそのみそ床に漬けた野菜

合わせみそのみそ床を使うときは、塩辛くなるので、野菜はなるべく切らずに漬けますが、白みそに漬ける野菜はカットしてもOK

諦めて放置した野菜が驚きのおいしさに

 しっかりと味が付く合わせみそと、優しい味わいが特長の白みそ。まず、すべての食材を2種類のみそ床で丸1日(24時間)漬け、味見をして、漬け時間やみそ床の使い分けについて考えました。

 予想外に変化したのは、白みそのみそ床に漬けた野菜です。24時間後に味見をしたところ、あっさりしすぎて甘く、みその風味も全く感じられません。「野菜に白みそは合わない」と判断して、そのまま冷蔵庫に放置していました。

 ところが、忘れかけていたころ、諦め半分で再び食べてみると、ほんのりと甘みがあり、白みその風味をしっかり感じられる驚きのおいしさに。漬け始めて3日後のことでした。特においしかった大根は、ぜひ一度、白みそで漬けてみてください。

混ぜるだけ 甘酒で作るカンタン塩麹

〝飲む点滴〟とも呼ばれ、美容と健康に良いと、最近は夏でもよく見かける甘酒。砂糖の代わりに甘酒を使ってみそ床を作ると、自然な甘みと、まろやかな味わいのみそ漬けを作ることができます。

 そんな甘酒を使った漬けラクごはんのアイデアを、島田さんからもう一つ。加水されていない昔ながらの甘酒350gに塩30gを加えるだけで、簡単に塩麹が出来上がります。塩がよく馴染むように丸1日置き、肉や魚を2、3時間ほど漬け込んで、おいしく焼いていただきましょう。

 塩分が気になる人は、加塩しない甘酒に漬けても、やわらかく仕上がります(人見さんおすすめ)。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2016年9月17日号掲載

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