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知って役立つ、天気予報の豆知識 梅雨のはてな?


梅雨に突入し、いつもに増して天気予報が気になりますね。
気象予報士の黒住祐介さんに、天気予報がもっとよく分かる豆知識を伺いました。

教えて黒住さん!知って役立つ、天気予報の豆知識 梅雨のはてな?

黒住祐介さん

 梅雨に突入し、これからしばらくの間、いつもに増して天気予報が気になりますね。
そこで、気象予報士の黒住祐介さん(OHKアナウンサー)に、知っておくと天気予報がもっとよく分かる豆知識を伺いました。

雨やくもりが多いと油断しがちですが、6月は紫外線量の多いシーズン。くもっていても紫外線は降り注いでいますので、対策はしっかりと!

梅雨前線のイメージ

梅雨前線のイメージ。寒気と暖気の勢力が前線で拮抗(きっこう)するため、前線が停滞します

今年は平年より雨量が少し多い予測

 岡山は〝晴れの国〟。県北の山間部を除き、晴天の日が多い恵まれた土地柄です。しばしば九州地方に大雨をもたらす、湿舌(しつぜつ※1)も、岡山には入って来にくいのです。

 とはいえ、10年20年前に比べると、被害をもたらすような短時間の強い雨は確実に増えているといえます。今年の梅雨は、中国地方は平年より雨量が少し多くなるという予測も出ています。

 梅雨とは、北からの冷たく湿った空気と南からの暖かく湿った空気がぶつかる境界面(前線)が停滞し、付近に雨を降らせる現象。停滞する理由は北からの寒気と南からの暖気の勢力がほぼ互角になるため。前線付近では大気の状態が不安定となり、雲が発生して雨を降らせます。

※注1 湿舌…水蒸気を多量に含む大気の塊。梅雨前線の南側に現れ、たびたび大雨を降らせる

梅雨前線のイメージ

梅雨明けが近い天気図のイメージ。南からの暖気が張り出してきて、梅雨前線が北上。前線の南側で大雨が降りやすくなります。完全に暖気が日本付近を覆ったら梅雨明け。今年中国地方の梅雨明けは、平年(7月21日ごろ)並みと予測されています

梅雨明け直前は大雨が降りやすい
近年雨の降り方が極端になっているので、
防災の備えはお忘れなく

 梅雨前線の動きを正確に予測するのはとても難しく、梅雨どきの天気予報はほかの時季に比べて外れることも多いんです。気象は通常西から東へと変化しますが、梅雨前線は南北に変化します。その動きの予測は難しく、前線が岡山市に横たわるのか瀬戸内海に横たわるのか、少しの誤差で予報が変わってしまいます。

 この時季は40~60%という降水確率が増えてきますが、これは気象台も予報を出しづらいということ。降水確率50%でも折り畳み傘を持って外出すると安心です。

 梅雨明けが近くなると、南の暖気が張り出し、梅雨前線が北に押し上げられます(右図)。梅雨前線の南側には、水蒸気を多く含んだ気流が流れ込み、大雨が降りやすくなるので注意が必要です。

 近年、温暖化などの影響もあり、岡山でも雨の降り方が極端になっています。防災への備えは忘れないようにしたいものです。

Q降水量の目安を教えてください

A

 降水量とは、降った雨が地面にそのままたまった場合の水の深さを言います。
例えば「1時間で100㎜の降水量」とは、降った雨が1時間で10㎝たまるということです。

 目安として1㎜で、傘を持っていればさそうかなという程度。岡山市では、平坦地で1時間に30㎜以上の雨が予想される場合に「大雨注意報」が、1時間に50㎜以上の雨が予想される場合には「大雨警報」が発令されます。※基準は地域によって異なります

カエルのイラスト
地域 大雨注意報の雨量基準 大雨警報の雨量基準
岡山市 1時間に30㎜
3時間に60㎜※
1時間に50㎜
3時間に100㎜※
倉敷市 3時間に50㎜
1時間に30㎜※
3時間に80㎜
1時間に50㎜※
赤磐市 1時間に30㎜ 1時間に50㎜

※は平坦地以外の場合。赤磐市は、平坦地・平坦地以外の区別なし。
表は気象庁HP=http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/okayama.html「警報・注意報発表基準一覧表」を加工して作成

雨の強さと降り方のイメージ

単位は1時間あたりの雨量

雨の強さと降り方のイメージ

図は気象庁リーフレット「雨と風の階級表」http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/amekaze/amekaze_index.htmlを加工して作成

Q「くもり時々雨」「くもり一時雨」の違いは?

A

「時々」は、現象が断続的に起こり、その合計時間が予報期間の1/4以上1/2未満で予想されるとき。「一時」は、現象が連続的に起こり、その時間が予報期間の1/4未満で予想されるとき。

「時々」のほうが「一時」より雨が降る時間が長い

「時々」のほうが「一時」より雨が降る時間が長い

 気象庁から天気予報が発表されるのは
①5:00②11:00③17:00の1日3回で、
それぞれ「今日の天気」の予報期間は
①5:00~24:00②11:00~24:00③17:00~24:00。

 6/12、11:00の気象庁の発表をもとにした「今日の天気はくもり時々雨」という予報なら、6/12、11:00~24:00の間で雨が断続的に降る時間が1/4(3.25時間)以上、
1/2(6.5時間)未満あるということ。「時々雨」と「一時雨」なら、「時々」のほうが雨が降る時間が長いという予報になります。

Q降水確率0%なのに小雨がパラついた。予報が外れたの?

A

 降水確率とは1㎜以上の雨が降る確率(例えば降水確率20%なら、1㎜以上の雨が降る可能性が100回中20回あるということ)。降水確率は「降水がある割合」の予測で、降水量の予測ではないのです。

 したがって、降水確率100%でも小雨が短時間しか降らなかったり、逆に降水確率が低くてもどしゃ降りの雨が降ることもあります。降水確率0%とは、確率が5%未満を指し(0~4%は含まれる)、まったく雨が降らないということではありません。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2016年6月11日号掲載

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