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気になるコレステロールの正体を暴く! 大切なのは量より質


気になるコレステロールの正体を暴く!
大切なのは量より質

気になるコレステロールの正体を暴く!大切なのは量より質

◆LDLLow Density Lipoprotein
低比重リポタンパク
◆HDLHigh Density Lipoprotein
高比重リポタンパク
編集部H
揚げ物やお肉が大好きな34歳。毎回、健診の後のコレステロール値が気になっている
メインイラスト

イラスト=銀杏早苗

健康診断を受けた後、戻ってきた結果を見て一喜一憂。
中でもコレステロール値を気にしているという方も多いのでは。
編集部Hもその一人。そもそもどんな働きをしているのか。
川崎医科大学の宗友厚先生に伺いました。

<宗 友厚 先生プロフィール>
川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科学教授。医学博士。日本糖尿病学会専門医・指導医
宗 友厚 先生

宗 友厚 先生

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LDL-CがHDL-Cの2倍以上の人は要注意

解説図

「コレステロール=健康の敵」というイメージを持つ人も多いのでは。そもそもどんな働きをしているのでしょうか。

「コレステロールは、細胞膜や女性ホルモン、男性ホルモン、副腎皮質ホルモンの原料になっているほか、脂肪の消化・吸収を助ける胆汁酸を形成するための物質、細胞膜の成分としても大切な役割を果たしています。約8割が肝臓などの体内で作られ、残りを食物から摂取しています」と宗先生。

肝臓から生成されるコレステロールは、それだけでは血液に溶けないので、コレステロールと中性脂肪をタンパク質と結合させた「リポタンパク質」という形で血液中を循環。脂質比重によって分けられ、末梢の血管にコレステロールを運ぶのがLDL、余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをするのがHDLです(右図)。」

このLDL、HDLの中に含まれるコレステロールが、それぞれLDLコレステロール(LDL-C)、HDLコレステロール(HDL-C)です。

「細胞が必要とするコレステロール量は限られているため、余分なLDLが血液中に増えすぎると、HDLが回収しきれないLDLが血管壁に入り込み酸化。動脈硬化を引き起こす原因になります。LDL-Cが〝悪玉コレステロール〟、HDL-Cが〝善玉コレステロール〟といわれるゆえんです。」

しきり線

以前の血液検査の診断基準は、総コレステロール値(LDL-C+HDL-C+中性脂肪×20%)でしたが、日本動脈硬化学会が2007年から新基準を設置。

基準値の目安の表

LDL-C、HDL-C、中性脂肪の数値を明確にし、①LDL-Cが多い人②HDL-Cが少ない人③中性脂肪が多い人を脂質異常症としています。

また、それぞれの基準値に照らし合わせるだけでなく、LDL-C値をHDL-C値で割ったL/H比に注意してほしいと宗先生。「L/H比が2以上という方は要注意。それぞれのコレステロール値が基準値内であっても、動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞のリスクが高くなります」

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中性脂肪、内臓脂肪が多い人は注意〝超悪玉コレステロール〟って?

また、最近注目されているのが、「スモールデンスLDL」の存在。

「通常のLDLが血液中で停滞し小型化したもので、別名は〝超悪玉コレステロール〟。血管に入り込みやすく、酸化しやすいので、より動脈硬化を招きやすい」と宗先生。

中性脂肪、内臓脂肪が多い人はLDLが小型化し、スモールデンスLDLが増えやすいのだそう。「残念ながら通常の血液検査では、スモールデンスLDLの数値までは出てきません。中性脂肪の値が高い方は別途、総合病院などで動脈硬化度検査を受けられることをお勧めします」とも。

こんなあなたはLDLコレステロールが増えやすい!
□喫煙している
□脂身の多い肉や揚げ物を多く食べる
□45歳以上の男性または、55歳以上の女性
□運動をあまりしない
□ストレスをためやすい
イラスト
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55歳以上の女性はLDL-C値が急上昇

余分なLDLを減らし、HDLを増やすには、どうしたら良いのでしょうか。

「まずは食生活の見直しを。LDL-C値を上げる飽和脂肪酸の多い動物性脂肪、チョコレート、卵黄や乳脂肪分を控え、LDL-C値を下げる植物性脂肪や魚の脂などの不飽和脂肪酸、海藻、大豆製品、野菜を摂るようにしましょう」。LDL-Cが増えると言われているストレスをためない生活も大切です。一般的に女性はLDL-C値が低めですが、閉経を迎えるころの55歳以上の女性は、ホルモンバランスが崩れ、一気に数値が上がるので注意が必要です。

HDL-Cを増やすには、運動が有効。ウオーキングなど楽しく続けられる有酸素運動を1日約30分行うのが良いのだそう。同時に中性脂肪を減らすこともできます。

また、「タバコは百害あって一利なし。HDL-Cを減らすばかりか、血管収縮や血液凝固の働きを活発化させるなど、動脈硬化の直接的な原因にもなっています」と続けます。コレステロールを生成する肝臓に負担をかけないことも大切。お酒を飲む人は、休肝日を設けるのをお忘れなく。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2015年5月23日号掲載

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