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睡眠力は生きる力 残暑の疲れを解消!リラックス快眠術


残暑で寝苦しい日々…。深い眠りに導き、疲れを取るための快眠術を、睡眠改善インストラクターに教えてもらいました。

睡眠力は生きる力 残暑の疲れを解消!リラックス快眠術

深い眠りで夏を乗り切る!

 残暑で寝苦しい日々が続き、なんだか体がだるい…。
深い眠りに導き、疲れを取るための快眠術を、睡眠改善インストラクターの
原陽子さんに教えてもらいました。

原 陽子さん

睡眠改善インストラクター

原 陽子さん

プロフィル
睡眠環境診断士(初級)、大手寝具メーカーのスリープマスターの資格も保有。睡眠セミナーなどを各地で実施。倉敷市在住

眠りの質を上げることで生活の質も高まる

 夏の疲れが残る時季。残暑で睡眠不足が重なるとイライラしたり、不平不満が多くなったり、動きが鈍くなったりして、仕事や家事の効率が悪くなります。逆に、ぐっすり眠れた日は気分爽快、作業がスムーズに進むという経験をしたことはありませんか。

 さまざまなリラックス方法の中で、「脳」を休ませることができるのは睡眠だけ。脳は、体の司令塔として大きな役割を担っているため、睡眠が一番のメンテナンスになります。

 目覚まし時計をかけずに自然に朝、目が覚める「自然起床」であれば、睡眠が足りているということ。布団からさっと出られて、「今日も頑張ろう」と思えるのは、深く眠れている証拠です。

 深い眠りを得るためには、深部体温(直腸で測る体温)を下げることが大切です。1日活動すると、深部体温が上がるため、就寝時に深部体温を下げないと、ぐっすり寝られません。赤ちゃんが眠たいとき、手足が熱くなるのは、体内の熱を外に逃がして、体温を下げようとしているからです。

 良質な睡眠を取ると、眠気を促すホルモン「メラトニン」や、疲労回復などの働きがある「成長ホルモン」の分泌が増え、筋肉も修復されます。

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 眠りの質を上げることで、生活の質も高まる―。すなわち、睡眠力は生きる力につながります。深部体温が下がる、深い眠りのためのポイントは下表の通りです。

 睡眠時間を確保することから1日のスケジュールを立て直しませんか。まずは深い眠りで疲れを取ることが、良い1日をスタートするきっかけになるでしょう。

快眠ポイント

1寝室の湿度は50~60% 室温は26~28度に

湿度が80%以上になると、レム睡眠(浅い眠り)に陥りやすくなる。レム睡眠だと、脳が活発に動き、夢を見るため、朝起きると体がだるかったり、疲れていたりする。除湿機で寝室の湿度を50~60%、室温は26~28度に保つと快適に寝られる。エアコンや扇風機の風が直接、体に当たらないように風向を調節する。

2光のコントロールも重要

LED電球やスマートフォンのブルーライトを就寝前に浴びてしまうと、体の機能をコントロールする自律神経のバランスが乱れる。交感神経(活動モード)が優位になり、就寝時に働く副交感神経(リラックスモード)が抑制され、睡眠を促すホルモン・メラトニンの分泌が減少する。寝室のLED電球はオレンジ色の電球色に。眠るときは、豆球ぐらいの明るさ(0.3~30ルクス)であれば、メラトニンが分泌される。部屋の明るさを調整できる調光器があれば、なお良い。

338~41度のお湯でリラックス

寝る直前に入浴する場合は38~41度のぬるめのお湯に入ると副交感神経が優位になり、リラックスできる。アイスクリームなど冷たいものを食べ過ぎると体が冷えるので、40~41度の湯船に30分程度つかり、汗を出すことで冷えを追い出せる。42度以上の熱いお風呂が好きな人は就寝3時間前に入浴を。シャワーは体の汚れを落とすだけなので湯船につかり、疲れを取ること。

415~20分間の昼寝で集中力が高まる

正午から午後3時30分までに15~20分間の昼寝をすると、集中力が高まり、午後から仕事や家事の効率が良くなる。55歳以上なら、30分間の昼寝はOK。寝るのが難しい場合、目を閉じるだけでも効果的。 コーヒーを飲んでから寝ると、カフェインが20分後に効き始めるので、すっきりと目覚めやすい。

※出典…本「基礎講座 睡眠改善学」 編集/日本睡眠改善協議会

5休日に普段の睡眠負債をカバー

土・日曜に昼まで寝る「寝だめ」をすると、月~水曜は体がだるくなる。睡眠が足りていない「睡眠負債」を補うには、休日でも、まずは普段通りに起床を。その後、朝の光を浴び、朝食を取ることで内臓を起こしてから、再び眠ると体内リズムが狂うことなく、睡眠負債を解消できる。

6手足のグーパー運動で血流アップ

就寝前、手足を結んで開く「グーパー運動」をすると、体内の熱を放出できる。血流が良くなり、体も温まるので眠りやすくなる。

7嫌なことは紙に書いてスッキリ

特に女性は嫌なことがあると、眠る前まで何度も思い出してなかなか寝付けない。枕元にメモ用紙とペンを用意しておき、嫌な出来事を書き出すと、スッキリして眠りにつける。

8寝具やパジャマを見直す

布団やパジャマはなるべく天然素材のものが良い。詳しくは後半で紹介。

大人以上に気を配りたい子どもの睡眠、夏にオススメの寝具とパジャマの選び方についても、原さんに伺いました。

小学生は毎日9~10時間眠る必要があります

 子どもの睡眠を大人と同じように考えていませんか。親が深夜に寝ていると、子どもも遅い時間に眠る場合が多いのです。大人以上に気を配りたいのが、子どもの睡眠。小学生だと、毎日9~10時間は眠る必要があります。勉強も大切ですが、まずはしっかり眠ることで、脳を育ててやりましょう。

特に寝始め3時間は、ノンレム睡眠(深い眠り)の1〜4段階の中でも、熟睡状態の4段階に入ります。そうなると、体と脳が十分休まるため、体の発育を促したり、疲れを取ったりする「成長ホルモン」が多く分泌されるのです。

 睡眠はしつけの一つ。夏休み中に、生活リズムが乱れてしまったなら、少しずつ修正を。

腹が立っても就寝前に怒るのは禁物

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 ただし、就寝前に「宿題ができてないじゃない。どうするの」などと怒るのは禁物。親に怒られると興奮して、寝入りにくくなり、睡眠の質も下がります。どんなに腹が立っていようとも、就寝時には、抱っこしてやったり、褒めてやったりして、子どもを受け止めてあげてください。そうすると、「親に愛されているんだ。私(僕)は、ここにいていいんだ」と感じることができ、安心して眠りにつけます。寝るときには本を読む、添い寝するなど〝入眠儀式〟を決めておくのもいいですね。子どもに〝寝るのは楽しいこと〟と教えてやることです。

 もし、怒ってしまったときは「今日は怒ってしまったけれど、○○ちゃんのことは好きだからね」などと伝えることです。忙しいときは30分でもいいので、表情を見て、不安そうであれば「学校で何かあった?」などと声を掛けてやりましょう。

 寝る時間になって、ぐずぐず言っていても、就寝時間にはベッドに入れることが大切です。小学生なら午後8時~8時30分には床に就き、9時までには寝るようにしたいものです。

 また、小学生の就寝時間と成績に関するデータがあります。平均95点以上の割合は、9時前就寝で41%、9時台が28%、10時台は22%、11時台で14%、12時台で0%という結果が出ています。

※出典…日本睡眠改善協議会編集基礎講座 睡眠改善学 

 寝る前に汗をかいていたら、冷たいタオルだと毛穴が閉じてしまい、体内に熱がこもってしまうので、温かいタオルで拭くといいですよ。

晩夏にオススメ 寝具とパジャマ選び方のコツ

寝具

◆掛け布団…綿、麻、竹繊維の天然素材は汗を吸うのでお勧め。アクリルなどの化学繊維は蒸れるため、レム睡眠(浅い眠り)になりやすい。麻や竹はひんやりして、熱を放出する。ただし、クーラーを使って寝るときは、足先まで掛けること。また、重いと肩が引っ張られて、寝返りがしにくく、目が覚めるので軽いものがよい。秋には羽毛の合掛け布団に変更を

◆敷き布団…大きく分けて(1)平面寝具(綿やウールを使用した、昔からあるタイプ)(2)立体寝具(体圧分散型)(3)温熱寝具(遠赤外線・電位治療タイプ)の3種類。立体寝具は肩凝りや腰痛の方に、温熱寝具は汗をかきにくい人や冷え症の人によい。

※掛け・敷き布団とも品質によって買い換え時期が異なる

◆枕…敷き布団との相性があるので、一概には言えないが、頸椎(けいつい)のカーブなどをお店で測ってもらい、高さが合ったものを選ぶこと。血流を妨げないものがお勧め。皮脂や汗で傷みやすいので、約3年で買い換えを

パジャマ

素材は綿ローンなど風通しがよいものを選ぶ。また、ワッフル織りやサッカー織り、ワッシャー織りのタイプは肌に張り付かず、涼しい。Tシャツやジャージなど体にぴったりするものは、寝返りを打ちにくい。また、化学繊維のジャージは蒸れるので就寝時には適さない。ゆとりのあるパジャマで寝るのがよい

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2016年8月27日号掲載

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