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岡山でつながろう No.3 居場所でつながろう 支え合う新たなカタチ


今、さまざまな居場所が生まれ、新しい支え合いの場になっています。

居場所でつながろう 支え合う新たなカタチ

あなたの一歩が未来の一歩に 岡山でつながろう No.3

 近所付き合いや人間関係が希薄化する現代では、困り事の相談もできず、ともすれば孤立してしまうことも。今、さまざまな居場所が生まれ、新しい支え合いの場になっています。

子どもから高齢者までの食堂岡輝みんな食堂

隣近所を誘い合い、地域の顔の見える関係をもう一度

2月18日は岡輝公民館駐車場で「たきだし体験」を実施。倉敷高校の生徒らがボランティアで参加しました

ある日のみんな食堂の食事

子ども、30代や40代、年配の人など多世代が出会います

 岡輝地区は市内の中で高齢化率が高く、一人暮らしの人や老夫婦世帯が多いのが特徴。この地区のデイケアで介護福祉士として働く圓山(まるやま)典洋さんは、仕事で出会うお年寄りの様子から、一人でご飯を食べている人やあまり外出しない人が多い現状を知りました。そこで病院関係者、司法書士などこの地区で働く人たちが中心になり、昨年10月から「岡輝みんな食堂」を月1回のペースでオープン。今年2月、岡山市が地域の優れた事例を顕彰する「第2回おかやま協働のまちづくり賞」奨励賞を受賞しました。

 会場を特定せず、毎回異なる場所で開いているのが特徴です。「お年寄りが歩く範囲は限られています。国道30号線を渡るのは大変とか、近くだったら行くという人もいます。いろいろな場所で開くことで地域のお年寄りが参加し、ここだったら私も手伝うわという仲間も増えていきます。ゆくゆくはその地域の人が中心になって運営していければ」と圓山さん。

 隣の人の生活を知らなかった人が「久しぶりに隣の人と話したわ」など、ご近所同士のつながりの復活に役立っている面があります。弁当配達サービスを利用しているお年寄りは「あったかいご飯がうれしい」とのこと。また、ときどき参加するという女性(88歳)は、「近所の人を誘って一緒に食べに来ている。家では一人で食べているので、ここは楽しい」と感想をもらしました。

 見守る人、寄り添う人、声をかける人…誰も孤独ではなく、それぞれにささやかな役割がある場所を目指しています。

【岡輝みんな食堂 プロジェクト事務局】
お年寄りが外に出て、近所の人と話すきっかけになればうれしいです

代表の圓山典洋さん

月1回、岡輝学区内の会場で開催
☎090(4691)4611圓山さん
メール koki.min-na.syokudo@nozomi-cl.or.jp
参加費:中学生以上300円
    小学生以下100円

◆次回の開催
日時:3/25(日)11:00~12:30
定員:40人(事前予約のみ)
会場:からたち保育園(岡山市北区奥田南町)
要予約。最新情報はフェイスブックまたは「こうきみんな食堂のブログ」で紹介
野菜など食材の寄付、ボランティアを募集

働く障がい者の居場所たまりば

おしゃべり、相談、交流で明日からの仕事の励みに

取材日に来ていたのは12人。おしゃべりする人、スマホ画面を見ている人、寝ている人など過ごし方はさまざま。

仕切られた個室スペースで相談も可能

 「たまりばがあるから、明日からまた仕事を頑張れる」。利用者からそんな声が聞こえてくる「たまりば」とは、岡山市在住(または岡山市内に勤務)の一般就労している障がい者の居場所。木曜と日曜の週2回オープンしており、最初に面談して登録しておけば、オープン時間内にいつ来てもいつ帰ってもOK。予約も不要です。利用無料。

 来ている人同士しゃべったり、一人で本を読んだり、スタッフに相談したりと、過ごし方は自由。

 「働く障害者のための交流拠点事業」として、「あすなろ福祉会」が岡山市から委託を受けて、2015年にスタート。全国的にもまだ珍しく、新しい取り組みとして注目されています。現在の登録者数は128人(2017年12月現在)。利用人数は平均すると木曜は12、13人、日曜は15~18人。

 スタッフは、木曜は2人、日曜は3人いて、ソーシャルワーカーなど専門職も運営にかかわっているので、いろいろな相談に乗ってもらえます。「職場にウマの合わない人がいる」「新しい仕事を任されてうれしい反面、本当は今の仕事で精一杯。どう伝えればいいか」「断りたいことがあるけれど角の立たない断り方を知りたい」など、仕事や人間関係、コミュニケーションでさまざまな悩みをスタッフに相談し、ときには利用者同士で共有して一緒に考えることも。一般就労している障がい者という共通項があり、「あの人が頑張っているから自分も頑張ろうという励みになる」という人もいます。ときどき来るというTさん(35歳女性)は、「すごく癒やされて安心できる場所。みんなの仕事の話が参考になります」と心の内を話してくれました。

 また、登録しているだけで来所していない人が年に一度の更新時にやってきたとき「登録はしておきたい。何か困ったときにここに来ればいいと思えるから」というエピソードも。心のよりどころになっている人もいるようです。

【社会福祉法人 あすなろ福祉会】
ここに来ると元気をもらえるという場所にしたい。スタッフだということを意識しないで、自分も仲間の一人のように参加しています

スタッフの田中伸幸さん

たまりばの会場:ぱる・おかやま
(岡山市北区表町3-7-27、2階)
☎070(5306)4363(開所時間のみ)
メール hataraku@ymobile.ne.jp

◆開所時間
木曜…17:00~19:30
日曜…14:00~17:00 ※祝日休み
◆対象
一般就労している障がい者で岡山市在住または岡山市内に勤務している人。面談により登録を認められた人(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳または医師の診断書などが必要)
◆利用の流れ
電話もしくは来所でスタッフに相談。面談の上、登録カードを発行。登録後は予約なしで自由に利用できます

引きこもりの若者支援人おこしシェアハウス

のどかな山村で共同生活、社会に戻る力を養う

参加者みんなで農作業。自分たちで作った野菜やお米の味は格別です。農作業や山林での活動は自由参加なので、プレッシャーを感じずマイペースに取り組めます

不定期で開催しているオープンシェアハウスイベントは、バンド演奏やワンコインランチなど参加者が携わる企画がたくさん。社会との接点の一つになっています

 美作市の中心部にほど近い山村にある「人おこしシェアハウス」。不登校・引きこもりなどで悩んでいる人を応援する場所として、NPO法人山村エンタープライズが2016年に開設しました。全国からシェアハウスの参加者が集まり、現在は10〜30代の10数人とスタッフが寝食を共にしています。

 日中は農作業や製作などを行い、里山の手入れや農家の手伝いといった地域のニーズに応える活動も。社会とつながることが自信を取り戻すきっかけになります。

 滞在期間は数カ月から年単位と人それぞれ。就職や進学を決めて旅立った人が仲間に会いに訪れることもあります。

 社会に戻る一歩としてアルバイトも可能。地元の事業者の協力で、工場や旅館、福祉施設などで働けます。過疎が進む美作エリアは人材を求める声が多く、雇用につながった事例も。

 参加者のKさん(20代)は「以前は毎日に楽しみが感じられませんでした。ここへ来たころは不安もありましたが、1年で少しずつ気持ちが楽に。アルバイトや仲間と始めたバンドなどやりがいを感じることも増えました」と笑顔で話します。就職を目指して前向きに過ごしているそうです。

 能登大次さんたちNPOメンバーのモットーは、人と社会を共に豊かにする〝人おこし〟。アルバイトの受け入れ企業を対象に講習会も実施しています。「引きこもりの人は労働意欲がないと思われがち。彼らの社会に出たい気持ちや問題、職場での接し方などをお伝えします。困難を抱えている人への理解を社会で広めることも目標の一つです」

【NPO法人 山村エンタープライズ】
不登校や引きこもりの人のために〝社会との接点〟をつくっています

能登大次さん(中央)とスタッフの女性たち

人おこしシェアハウス(美作市田殿2921)
☎︎0868(73)0020
http://hito.sanson.asia

◆年度報告会&交流会
3/17(土)18:30〜、会場はKAMP(岡山市北区奉還町3-1-35)。活動や実績について聞けます。予約なしで誰でも参加OK
◆体験会「お試しキャンプ」
3/25(日) 日帰り2000円、宿泊3000円〜。要予約 ※毎月開催
◆サポーターとして支援
寄付3000円/口 ほか
ゆうちょ銀行 記号番号15420-36825971
または 店名五四八 普通預金 口座番号 3682597
特定非営利活動法人山村エンタープライズ

子の発達に不安がある親の居場所うさぎカフェ

手作りメニューでほっとひと息「肩の荷を下ろして帰って」

大きなテーブルを囲んで話す保護者と支援者たち。おいしい手料理を一緒に食べていると、張り詰めていた心が癒やされていきます

保護者の悩みに応えるハンドブック「ひとりじゃないよvol.3」(500円)も完成。3月8日ごろから、うさぎカフェのほか、福祉の店あゆみ(イオン倉敷内)、つづきの絵本屋(倉敷市)などで販売予定

 お昼前、倉敷市粒浦にある一軒家を訪れるとおいしそうな食事の匂いが漂います。中はくつろいだ家庭的な雰囲気で、まるで実家に帰ったようなほっと和んだ気持ちにさせてくれます。

 ここは、発達に不安のある子や障がいのある子の親の居場所「うさぎカフェ」。NPO法人「ペアレント・サポートすてっぷ」が運営し、火曜と木曜の午前10時〜午後3時にオープンします。あくまでも家族と支援者のための居場所なので一般にはクローズドの場です。

 個別相談(無料・要予約)もあり、涙を流しながらつらい気持ちを吐露していく人も。スタッフは決して否定せず、話し終わるまでゆっくりと耳を傾けます。

 「障がいのある子の育児は、普通の子育てよりちょっと難しいです。日々の中でつらいことがあっても、おいしいものを食べてほっこりして、ちょっと元気になって帰ってほしい」と副理事長の石川圭子さん。

 カフェでは日替わりランチをはじめ、小豆を丁寧に炊いて作るぜんざい、自家製ケーキなど心尽くしの味を大切にしています。だしはもちろん、マヨネーズやカスタードクリームも手作り。シンプルだけど滋味深く、育児に疲れた保護者たちを優しく癒やしてくれる味わいです。

 NPOのメンバー自身、すでに成人期を迎えた発達障がいの子を持つ保護者。発端は、倉敷市特別支援学級親の会の執行部だった安藤希代子さん(同NPO理事長)と石川さんら3人が「保護者同士がつながる場を持ちたい」と会を立ち上げたこと。当初は会議室を借りて茶話会を開いていましたが、「悩んだときにすぐに行けるような居場所を」と一軒家を借りて、2016年からカフェをスタートしました。

 安藤さんらは「焦らなくてもいいんだよ、カフェでほっと肩の荷を下ろしていってほしい」と、悩む保護者たちにメッセージを送っています。

【NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ】
4月から、一般も参加できる「シネマカフェ」を不定期で開催。「周囲の人たちにも知ってもらい、お母さんたちを応援してもらえる環境をつくっていきたい」

石川圭子さん

うさぎカフェ(倉敷市粒浦217-2)
☎086(431)1651

◆オープン
毎週火曜・木曜の10:00〜15:00
◆3月のオープン
8日(木)、13日(火)、15日(木)、20日(火)、22日(木)
※3/24(土)〜4月頭までは春休み
(詳細はペアレント・サポートすてっぷのHP内で確認できます)
◆対象者
発達に不安のある子の保護者・関係者・支援者
※クローズドカフェなので表に看板は出ていません。敷地内に入っていくと入り口に小さな看板があります
※個別相談(要予約)は13:00から、14:00からそれぞれ1時間
※駐車場に限りがあるので、複数の場合はできるだけ乗り合わせを
倉敷市内にこんな居場所もあります

大学生と卒業生が運営する子どもの居場所

放課後にやってきた子どもと一緒に遊んだりご飯を食べたり。子どもを家まで送った後、後片付けとスタッフミーティングをします

ある日の食事。炊き込みご飯、肉じゃが、さつまいもの味噌汁、オレンジ、大学いも。メニューはあらかじめ決めておらず、子どもと話しながら決めているそう

てきぱきと後片付けをする男子学生

 大学のサークル活動から始まり、卒業生と大学生で活動を継続している子どもの居場所が倉敷市内にあります。

 2015年6月に川崎医療福祉大学の「子ども支援サークルにっこにこ」が、サークル活動としてスタート。さらに、大学を卒業する前、卒業後もかかわることを決めた紀(き)奈那さんと藤澤祐輔さんの2人が、2016年10月、一般社団法人「子どもソーシャルワークセンターつばさ」を設立。それ以降はつばさが運営母体になってサークルの大学生らとともに運営しています。

 小学校や地区社協とも連携。親が仕事のために夜を一人で過ごしている小中学生や、一人親家庭の子どもなど同じ子どもが定期的に通っています。地域の応援も得ながら、子どものプライバシーを守るために住所は非公開にしています。

 週3~4回、オープン。一緒にトランプやオセロなどで遊んだり、宿題を見守ったり、ご飯を食べたりして、子どもに寄り添います。ご飯は毎回大学生たちが手作りします。

 人件費はないので紀さんと藤澤さんはアルバイトを掛け持ちして生計を立てながら、夕方以降は交替で居場所に駆けつける日々。続けている理由について「学生は毎年卒業していく。でも来続ける人もいた方が子どもはここに通いやすいと思ったんです。私も子どもに癒やされるし、もっと一緒にいたい、い続けたいと思って」と紀さん。

 事業費は寄付と赤い羽根募金などで運営してきましたが、行政の補助金なども対象にならず、今年4月からの資金が不足。寄付を募っています。

子どもたちが信頼してくれていることが分かる。私自身の居場所にもなっています/ふじすけが来ると子どもたちの顔が輝くと言われることがある。子どもがなついてくれるのは本当にうれしい

代表理事の紀奈那さん(左、22歳)と理事の藤澤祐輔さん(23歳)

【一般社団法人 子どもソーシャルワークセンターつばさ】

☎080(5662)1495紀さん

◆寄付でサポート
ゆうちょ銀行 店名 五四八 店番548
普通預金 口座番号 3947471
名義 (一社)子どもソーシャルワークセンターつばさ
◆お米の購入でサポート
頑張っている若者を応援したいというお米の生産者が協力し、耕作放棄地を利用してつばさのスタッフがお米を作り、つばさ米として販売(朝日米5キロ2000円)。お米の売り上げは全額活動費に充てられます
購入の連絡はkswc.tsubasa@gmail.com

子ども・ママ・近所の人も集う食堂バンブーカフェ

忙しいママの時間的貧困の解消をシングルマザーがママ友と立ち上げ

献立の紹介で「なんてこった、パンナコッタ!」と竹内さんが言うと、「店長~(竹内さん)、すべったじゃろー」と子どもたち

この日は、差し入れの白菜を使った八宝菜、山芋と豆腐のグラタン、にゅうめんスープ、パンナコッタの4品

 倉敷市福田町にあるコミュニティーカフェ「バンブーカフェ」。取材に訪れたこの日は、月2回の「みんなの食堂」の日。夕方6時になると、近くの小学校の学童から子どもたち13人が「こんばんはー」と元気よくやって来ました。トレーを持ってカウンターに並ぶと、「大1つ」「大1つ」と次々に注文します。

 「みんなの食堂」は誰でも利用でき、近隣の人たちや子どもの保護者が一緒に食べていくこともあるそう。

 献立は八宝菜やグラタンなど野菜たっぷりのメニューです。献立が決まると、スタッフがSNSで材料の提供を呼び掛けます。料理するボランティアは30・40代の現役ママが中心ですが、この日は高校生のボランティアも参加していました。

 1人でご飯を食べる子どもたちの「孤食の解消」もカフェの大きなテーマです。「みんなで一緒に食べるのが楽しい」「今日のデザートを食べてみたかった。パンナコッタって何?」と、ワイワイガヤガヤと子どもたち。

 カフェの立ち上げは、代表理事の竹内要さんがシングルマザーとして仕事と育児に奮闘していた時の経験がきっかけ。子どもがインフルエンザにかかり、休み明けに行った職場で部署変更を突然言い渡されたそう。「それまで職場で認められていたと思っていただけにショックでした」と竹内さん。

 それから、孤軍奮闘しがちなママたちを支援しようと、「病児保育まではできないけれど、今の自分にできることを」と模索して、ママ友とともにNPO法人「ファミリーステップ」を立ち上げました。

 竹内さんは「仕事や家事に追われる人たちが時間的な余裕を持ち、子どもと触れ合う時間を持ってくれればうれしい」と話します。

【NPO法人 ファミリーステップ】
子育て中のママの居場所「みんなのリビング」も月6回開催中。週替わりランチやデザート、ドリンクを用意しています。おしゃべりしに気軽に遊びに来てね

竹内要さん

バンブーカフェ(倉敷市福田町古新田802-11)
TEL.086(451)5920
「みんなの食堂」で使用する材料の提供を受け付けています(コミュニティーカフェ Bamboo cafeのfacebook内で確認できます)。
当日、ボランティアで参加できる人も募集しています

◆みんなの食堂
開催は毎月第1・3水曜の17:00〜20:00(うち18:00〜19:00が食事)
食事代:高校生までの子ども300円、大人500円
◆みんなのリビング
開催は月6回。要予約(毎週火曜、第1・3水曜の11:00〜15:00)
日替わりランチ650円など

今なぜ居場所づくりに取り組む人が増えているのでしょうか。子どもの居場所連携事業に携わる直島克樹さんに、社会背景や居場所の必要性について尋ねました。

自動化が進み、人と人との接点が少ない現代、人が出会い交わる居場所の必要性が高まる

 岡山県下で約40カ所の子ども食堂が生まれていて、居場所づくりやコミュニティー再生が目的のところもあれば貧困対策が目的のところもあり、それぞれに特徴があります。月1回程度開催がほとんどですが、週3回以上の子ども食堂もあります。

 居場所づくりが活発になってきたのは、人と人との接点が少なくなったという時代背景があります。昔の地域は理由がなくても人が会う場がありましたし、町内会や子ども会活動が活発なころは顔見知りが多く、地域で支え合う地域活動や互助制度もありました。今では子ども会も衰退し、両親共働きが当たり前で、子どもたちは保育園と自宅の往復、放課後は学童や塾へと行き先は限定され、外で子どもたちだけで自由に交わる場が極端に減りました。忙しい親世代も趣味や関心事の場には集まるけれど、そうでなければ人と関わる場への参加が少なくなっています。これらも貧困や引きこもりの実態が見えにくくなった一因です。

 一方、スーパーでのセルフレジなど社会全体のさまざまな場面で自動化が進行しています。家にいながらにして買い物できるネット通販なら宅配業者に会うだけです。今はまだ人の手で届けていますが、ドローン配達が実用化されれば、配達する人すらいなくなり、ますます人に会わなくなるでしょう。

 こんな時代だからこそ、地域の人が交わる〝居場所〟を作ることが、地域再生につながり、新しい支え合いの形になっていきます。居場所で大人と子どもが同じ時間を過ごしたり、食卓を囲んだりすることで顔の見える関係ができていき、何か困り事のときに相談できる関係にもつながります。

子どもの居場所連携事業をスタート

 昨年12月、「岡山子どもの貧困対策ネットワーク会議」の一事業として、「子どもの居場所連携事業」が始まりました。県内の子ども食堂や学習支援をしている人が情報を交換したり、余っている食糧をシェアしたり、悩みや課題を話し合ったりする予定です。困窮世帯の支援や個別にかかわる子ども食堂も、地域の子どもみんなを対象にした子ども食堂もどちらも大切。

 地域全体で地域の子どもたち全員を支えて育てようという気持ちを持ち、私たち一人一人が持つ力を信じて、小さなことでも一歩踏み出し動き始めていきましょう。

 資金や物資が不足していて継続が困難になるなど課題に直面している居場所もあります。行政も加わり、新たな仕組み作りや税制の見直しをする必要があると考えています。

子直島 克樹さん

直島 克樹さん
川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学講師。社会福祉士。岡山県子どもの貧困対策ネットワーク会議代表。子どもの居場所運営団体のネットワーク化、子どもの貧困の解決に向けた地域づくりを進めている

「リビングおかやま」2018年3月10日号掲載 「リビングくらしき」2018年3月17日号掲載

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