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涼やかで食べる楽しみも 家計にも環境にもやさしいエコな選択 緑のカーテン


この夏は緑のカーテンに挑戦してみませんか。 環境学習センター「アスエコ」で失敗しない緑のカーテンの作り方を聞きました。

涼やかで食べる楽しみも 家計にも環境にもやさしいエコな選択 緑のカーテン

 この夏は緑のカーテンに挑戦してみませんか。省エネなど温暖化対策に関する〝賢い選択〟「COOL CHOICE」を環境省が推進する今、 環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区下石井)で、失敗しない緑のカーテンの作り方を聞きました。

涼しい理由は、植物ならではの蒸散作用

緑のカーテン

 カーテンにするのは、つる性の植物が基本。ゴーヤ、アサガオは初心者でも育てやすく失敗が少ない。収穫を楽しむ植物は、実がなると、ネットが重みに耐えられなくなることがあるので、ゴーヤなら「太れいし」など、実があまり大きくならない品種を選ぶのがポイント。

 ツル性の植物を窓の外にはわせて作る植物のカーテンはプランター栽培もできるので、マンションなどの集合住宅でも生育が可能です。

 緑のカーテンは、見た目が涼やかなだけでなく、二酸化炭素の削減にも。さらに、建物の温度上昇を抑えるので、夏場の冷房効率が良くなることで省エネ効果も実証されています。「窓によしずを立て掛けたり、すだれを設置して、日差しを遮る方法もありますが、緑のカーテンが涼しいのは、植物ならではの蒸散作用によるものです。蒸散作用とは、植物の葉などから大気中へ水蒸気が放出され、空気から熱を奪うため、植物の周辺の空気が涼しくなる現象。この作用が、室内に涼しい風を運んでくれるのです」とアスエコの中谷八郎所長。

 「わが家も毎年緑のカーテンを作りますが、冷房が必要な時間が減り、設定温度も上がり、節電につながっているのを実感しています」と続けます。

 緑のカーテン上級者にオススメなのが、1つのプランターに、花と野菜のように2種類の植物を同時に植える「ミックスカーテン」。管理の仕方が異なるので栽培も少し難しくなりますが、新しい楽しみ方にもチャレンジを。

 お財布にもやさしく、温暖化防止にもつながる緑のカーテンを、
この夏はあなたの賢い選択の1つにしませんか。

適している植物は…?

収穫を楽しむ
ゴーヤ  ヘチマ
キュウリ スイカ
メロン  ササゲ
観賞を楽しむ
アサガオ
フウセンカズラ
両方楽しむ
パッションフルーツ

ゴーヤのカーテンの作り方(プランター)

【準備するもの】
・苗 ・土 ・プランター ・肥料 ・ネット ・支柱 ・ひも ・スコップ ・じょうろなど

1苗の植え付け 5月~6月上旬

 苗のポットから根元の土を崩さないように苗を取り出し、間隔をあけてプランターに植え、水をたっぷりあげましょう。プランターは幅が70㎝、深さ30㎝ほどある40ℓタイプで苗2本が目安。

プランターに苗をたくさん植えると、葉がよく茂るイメージをしている人が多いようですが、栄養の取り合いになり葉が茂らない原因に。また、プランターの底に、鉢底石や軽石などを敷いて、水はけを良くすると根腐れが防げます。

2水やりは成長に合わせて

 植え付け後約1カ月は、根を張る時期なので、土の表面が乾いたら、プランターの底から水がしみ出るまで、たっぷり水をあげる。7月に入り気温が高くなってきたら、1日1回、朝か夕方にたっぷりあげる。猛暑の時は、朝・夕2回。

苗が小さいうちは、水をあげ過ぎないよう注意。

3ネット張り 5月~6月ごろ

 つるが伸びる前にネット張りを。ネットの上部はベランダの手すりや、軒先に付けたフックなどにしっかり固定を。下部は、地面の場合は杭を打つか、コンクリートブロックやプランターを重しにして固定しましょう。

ネットは風で揺れないようピンと張る方が植物が良好に成長します。ネットは、10㎝の網目がオススメ。

4つるの誘引 6月~8月

つるの誘引

 緑のカーテンは、成長期(最初の2カ月)に、つるがネットにうまく絡まって、つると葉がネット全体に覆うように、つるを伸びて欲しい方向に導く「誘引」をする必要があります。
 ひもや園芸用テープで、ゆるく結び付け、横へ横へ導くのがポイント。右図のように8の字にして結び、結び目はゆったりと余裕を持たせておくと、つるが傷付きません。

5摘心(てきしん) 6月~

つるの誘引

 本葉が7、8枚になったら、親ずるの先を2~3㎝切りましょう(摘心)。そうすることで、子づる、孫づるが元気に成長し、葉がネット全体を覆いやすくなります。子づる、孫づるも必要に応じて誘引を。

6追肥 7月~8月

 つるが伸び、大きく育ってくると、多くの養分が必要となります。7月中旬~下旬の雌花の一番花が咲いたころを目安に、根元を避けて追肥をしましょう。その後、実がなり始めたころから、3~4週間に1回くらい追肥を。

液体肥料の場合は即効性はありますが、効果が持続しないので、1週間に1回を目安に追肥を。

7収穫・種取り 7月~9月

 ゴーヤは、結実してから2~3週間が食べごろ。種を取るときは、熟して黄色くなったものを。よく熟した実の種の周りの赤いゼリー状のものを洗い流し、風通しの良い場所で陰干しし、乾燥させたら密閉容器に入れて冷蔵庫などで保管し、来年に備えましょう。

サーモグラフィーで測定すると…

サーモグラフィーでの測定

 アスエコでは、同施設南側に毎年緑のカーテンを作っています。写真と右の図は、夏のある日、緑のカーテン周辺をサーモグラフィーで測定したもの。アスファルトは43.6℃、建物の外壁は37.6℃を記録しましたが、蒸散作用により緑のカーテン付近は、33.0℃までしか気温が上昇していません。緑のカーテンの効果は一目りょう然です。

失敗しないためのQ&A

 緑のカーテンを作る上での注意点や失敗しないためのコツをアスエコの中谷八郎所長に聞きました

緑のカーテン

Q1何の植物をカーテンにするか迷います。

アサガオやフウセンカズラのように観賞を楽しむのか、ゴーヤ、キュウリ、ヘチマなどのように収穫を楽しむのか―好みに合わせて植物を選んでみては。ゴーヤは、ネットの被覆率も高く、栽培方法も比較的簡単です。
 珍しいものでは、小豆のような豆が収穫できるササゲもカーテンにしている人がいました。こちらは、10月ごろまで、緑のカーテンが楽しめるそうです。

Q2地植えとプランター栽培どちらが簡単ですか。

地植えの方が、大きく育ちやすいのが特長です。マンションか一軒家かなど、植える環境を見て選択すると良いでしょう。いずれにしても、ネットが風などで倒れないよう、しっかり固定することが大切です。

Q3昨年、緑のカーテンに挑戦しましたが、葉があまり茂らず、上手く育てられませんでした。

葉が茂らない原因は、プランターの大きさに対し、苗の本数が多いことが一番に考えられます。苗を植えるのは、40ℓプランターに2、3本が目安。もしくは、摘心ができていないことも考えられます。

Q4昨年使った土を使いたい場合はどうしたらいいですか。

土を広げて根など不要なものを除き、土を透明のごみ袋などに入れて、袋の口を閉じて、天気の良い日に約1週間天日干をして、土の中にいる害虫を殺してしまいましょう。土はなるべく平らにして、途中、日の当たる面を変えてやるのがポイントです。これで、土が再利用できるようになります。ただし、連作障害には注意を。

ゴーヤ・アサガオの苗をプレゼント

ゴーヤのイラスト

 6月の環境月間に合わせて倉敷市では、6月3日(土)午前9時30分~午後3時、水島愛あいサロン(水島東千鳥町)で、「くらしき環境フェスティバル」を開催します。

 そのイベントの一環として、「緑のカーテンの苗プレゼント」のコーナーが設けられます。ゴーヤ、アサガオの苗が先着600人にプレゼントされるので、この夏緑のカーテンに挑戦しようという方は足を運んでみませんか。苗が無くなり次第終了。

 詳しくは☎086(440)5607倉敷市環境学習センターへ。

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2017年5月27日号掲載

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