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家計運営のコツをFPが伝授 ライフスタイルが変化する春 家族の未来予想図の描き方


ライフスタイルが変化する春はライフプランを見直す絶好のチャンス。FPに夢や目標を実現するコツを聞きました。

家計運営のコツをFPが伝授 ライフスタイルが変化する春 家族の未来予想図の描き方

 ライフスタイルが変化する春は、ライフプランを見直す絶好のチャンス。〝人生設計のプロ〟ファイナンシャルプランナー(FP)の濱尾壽一さんに、夢や目標を実現するコツを聞きました。

濱尾さん

濱尾 壽一さん(CFP®)

FP歴25年、㈱岡山ファイナンシャルプランナーズ代表で、NPO法人日本FP協会岡山支部副支部長も務める

FPとは…
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な面から実現に向けてサポートする専門家
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ライフプランは何度も見直して、不安を取り除いて

 ライフプランとは、マイホーム購入、出産、子どもの進学、就職、定年退職など、家族のライフイベントを盛り込んだ人生設計のこと。人生の夢や目標を明らかにすることで、これらを達成するためにはいつまでに、いくらお金が必要なのかが見えてきます。そこで、マネープランも必要になるのです。

 家族の計画が思うように運ばなかったり、転勤によりライフプランの変更を余儀なくされたり…。春は、資金面での不安を抱えている人が多い時期。「ライフプランは計画通りにいかなければ何度でも見直せばOK。ライフプランもマネープランも明確にしない方が、かえって将来が不安」と濱尾さんは言います。

濱尾さんからアドバイス 年代別資金計画の一例

20代 結婚、出産前までは比較的お金がたまりやすい

まずは100万円を目標に貯蓄を

30代 マイホーム購入資金、子どもが成長するにつれて教育資金が発生し始める

教育資金の負担が少ないこの時期は
お金の貯めどき

40代 子どもの進学などで教育資金の負担が大きくなる。貯蓄を取り崩すケースも

マイホームをローンで購入するなら40代まで

50代 教育資金の負担が終わり、子どもの就職などで家計は楽に。退職後の生活を見据えた計画を

老後資金を明確に。病気の心配が出てくるので、医療費も確保しておく必要が

60代 子どもが独立。退職後は、収入が限られるため、支出の見直しも必須。両親の介護・相続が必要になる場合も

日常生活は、できる限り年金の範囲内で対応。
貯蓄の取り崩しを抑えるように

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子育て世代は、20・30年先まで家計を見据えた計画を

 ライフプランをかなえるために作成したいのが、家族のライフイベントを盛り込んだキャッシュフロー表。年単位で収入・支出を書き込むことで、蓄えがいくらあるのか、年間いくら貯蓄できているのかが一目で分かります。「特に子育て世代は、20年、30年先まで家計を見据える必要があります」と濱尾さん。

 キャッシュフロー表を作成すると、貯蓄すべき金額と時期が明確に。さらに目標を達成するためには、月にいくら貯めなければならないのかも分かり、また、無駄な支出がないか、家計を見直すきっかけにもつながります。

 「貯蓄ができない人の多くは、必要なお金の認識がなかったり、生活費を使い残ったお金を預貯金にしていたりするのでは? まずは、貯蓄を確保するなどして、現状のお金の動きを変えるのも貯蓄をするコツです。現状を把握することが夢や目標達成への近道になることは間違いありません」と続けます。

 この機会に、人生の3大支出である教育、住宅、老後の資金の中で、あなたが最優先すべきものも考えてみましょう。

【Aさん一家のキャッシュフロー表】(単位/万円)

①家族のイベントを記入

②マイホームの頭金など、イベントに掛かる費用を記入

③今年の貯蓄残高=前年の貯蓄残高+今年の年間収支で計算
ここが順調に増えていけば、年間収支が一時的にマイナスになる年があっても、ひとまず家計は健全といえる

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今の時代の資産形成は運用・投資を視野に入れて

 これまでのように老後資金を国や企業に頼ることが難しくなっている今、多くの人が老後資金の準備に不安を抱いています。

 資金の準備として濱尾さんが勧めるのが、今年から加入対象が拡大し、国が優遇税制を認めている「iDeCo(イデコ)」(個人型確定拠出年金)や、投資で得た利益が非課税として優遇される「NISA(ニーサ)」(小額投資非課税制度)など、長期的に効率良くお金を増やす方法。

 「昔と違い、今は、預貯金などの資産を運用せざるを得ない時代になってきています。運用や投資は、スパンが短いとリスクが高まるので長期間で考えるべき。ベストな運用方法は、一人一人違うので、プロのアドバイスをもらいましょう」と呼び掛けます。

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社会的な制度変更に敏感に

 主婦がうまく家計運営するために普段からできることは何でしょう。

 「今年でしたら、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が導入されましたね。社会保険制度や税制などの変更には、敏感になっておく必要があります」と濱尾さん。新聞などの経済情報欄などから得られる情報は小まめにチェックしておきたいものです。

 Aさん一家のキャッシュフロー表を参考にして、将来の家計の変化を見込んでおけば、家族のより具体的な未来予想図を描くことができるはずです。

身近なFPに相談してみませんか

 FP協会のホームページでは、「住宅ローン」「保険」「老後・年金」「税制・相続・贈与」など、相談したい分野を選ぶと、専門分野のFPを紹介するシステムも導入しています。相談は有料ですが、保険の見直しに伴う相談などは無料で対応してくれる場合も。

 また同ホームページでは、キャッシュフロー表のダウンロードも可能です。

FP協会
https://www.jafp.or.jp/

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2017年4月8日号掲載

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