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マネーの基礎体力づくり


春は見直しのベストタイミング
物価上昇、制度の変更…逆風に揺らがないマネーの基礎体力づくり

春は見直しのベストタイミング 物価上昇、制度の変更…逆風に揺らがないマネーの基礎体力づくり

ライフスタイルが変わる春は、家計見直しの好機。なかなか貯蓄ができないという方も、新年度から心機一転、〝マネーの基礎体力〟を身に付けていきませんか。本紙「家計相談室」でおなじみ、FPの松田里美さんに伺いました。

食料品や日用品等の値上げ、年金の先細り、増税、なかなかアップしない給与…。家計の負担がますます増えていくであろう時代。
限られた生涯賃金の中で、いかに納得のいくお金の使い方ができるかを
考える時期だと思います。
これまで多くの方の相談を受けてきましたが、お金が着実に貯まる方は、
景気や世の中の動きに揺らがない〝マネー体力〟を必ず身に付けています。
貯蓄があれば、選択肢はグンと広がります。一生困らないマネーの体力づくりをぜひ始めてみてください。

松田里美さん

松田里美さん

Matsuda Planning Office代表。銀行、税理士事務所を経て、岡山県初の女性CFPとして開業し、現在は、全国各地で講演を行ったり、個人の相談に乗っている。

FP歴20年、松田里美は見た!お金が貯まる人の4大特長

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(1)クレジットの利用が少ない
(2)貯める目的を持っている
(3)将来の見通しが立っている
(4)へそくり預金がある

独身時代からの「へそくり預金」は、ライフステージが変わりやすい女性にとって心強い味方に。

☆ 番外編…家の中が整理整頓されている

個人の方のご相談を受けてお宅におじゃますることがあるのですが、お金が貯まっている方は、
家の中も整理されている方が多いように思います。

1家計に立ち向かっていくことで、不安は消える!

何に使っているか分からないけど、毎月カツカツ…そんな方は、家計の現状把握からスタート。家計簿をつけるのが難しい場合は、箱などにレシートや支出金額のメモを集め、1カ月分を費用項目ごとに集計してみて。家計を把握したら終わりではなく、必ず見直して分析を。1カ月の支出入を具体的な数字で〝見える化〟すると、おのずと現在の問題点と今後の対策が見えてきます。漠然としたお金の不安を解消するには、家計に対して受け身でなく、立ち向かっていくことが大切なのです。

「夫(妻)の収入がいくらで、どのぐらい貯蓄があるのか知らない」というお宅もありますが、子供の進学、住宅取得、老後の生活など、今後大きな出費が見込まれるなら、情報共有が必須。わが家の収入と資産全体を把握しておきましょう。

2平均値に惑わされず、わが家の物差しで目標を立てよう

やみくもに、節約しなきゃ、貯めなきゃではなかなか実践できません。何のために貯蓄するのか、目的をはっきりさせること。1年以内に実現したい「短期目的」と、ライフステージの変化を見据えた「中・長期の目的」を立てましょう。実現に必要な貯蓄額は、月単位まで小刻みに割って算出します。

例:5年後に新車(200万円)を購入⇒毎月2万円×60カ月+夏冬ボーナスで補てん1回8万円(×10回)
貯蓄目標=毎月2万円

次に、貯蓄費用を捻出するためにどの費目を削るかですが、「4人家族なら食費は○△万円」といった平均値に惑わされず、わが家の物差しで取捨選択していただきたいのです。

お金の使い方を考えることは、何に価値観を置いて生きるかとイコール。平均値にこだわって、大切な楽しみや将来への投資まで大幅に削ってしまうなら、本末転倒。現在も未来も満足のいくお金の使い方を、ライフイベントと照らし合わせながら、家族間でじっくり話し合っていただきたいと思います。

3確実に貯めるなら、先取り貯蓄がマスト

誰でもできる〝てっぱん〟の貯蓄方法は、先に貯めて、残ったお金でやり繰りする「先取り貯蓄」です。毎月の給料から、貯蓄分を自動的に別口座に移してしまうので、〝お金があればある分だけ使ってしまう〟方に最適。先取り貯蓄には、勤め先を通して利用できる「財形貯蓄制度」や、口座から定期的に積み立てる銀行等の「積立定期預金」などがあります。

給料が振り込まれる口座を生活費を引き出す口座として、それ以外に「住宅購入用口座」「教育費貯蓄口座」「運用のための口座」など、目的別の口座を複数持つのも有効です。

財形貯蓄
給料から天引きで毎月一定額を積み立てる。一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄があり、目的を問わない「一般財形」は、預入から1年を過ぎれば、一部引き出しや解約が自由。利用するためには、勤務先に制度があるか確認を。
一定の雇用が見込まれるパート、アルバイト、契約社員も利用可。
積立定期預金など
毎月決まった日に、普通預金から一定額を自動的に積み立てる。
各金融機関から、さまざまな内容の商品が出ており、長期運用で有利な利率が適用されるものや、ネットバンキングで申し込めるものも。

今押さえておきたい!マネーキーワード

今年度以降、家計にまつわるお金にはどんな動きがあるのでしょうか。
気になるキーワードを見ていきましょう。

下記の内容は3/30時点で国会審議中の内容を参考にしています。決議された内容と異なる場合があります。

住宅取得等資金の贈与税の非課税措置の拡充・延長
結婚・子育て資金の一括贈与税非課税措置の創設

子・孫への住宅取得資金の贈与の非課税限度額が1000万円(良質な住宅は1500万円)に引き上げ。住宅エコポイントの復活(省エネ住宅ポイント)や、住宅ローン減税・すまい給付金制度の延長もあり。また、贈与税の特例が拡大され、結婚・子育て資金も対象に

「しっかり使い道を考え、管理できるマネーの力をつけていないと、せっかく贈与されたお金を無駄に使ってしまう、自分で稼ぐ力がつかないなど、金銭教育的にマイナスになることもあります。お金との付き合い方を、しっかり親子で話し合っていただきたいと思います」

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子育て世帯の臨時特例給付金

昨年度は1人1万円
⇒今年度は、1人3000円(一度きりの給付)に

「それぞれのご家庭で〝子どもが欲しがっていたものを購入する〟
〝将来教育費の負担が増大するのに備えて貯金する〟
など有意義な使い方を考えてみてください」

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ふるさと納税の拡充

4月から、寄付の控除限度額
(寄付額から2000円を引いて還付・減額される額)が2倍に。
さらに条件(寄付する団体が5団体以内など)を
満たせば確定申告が不要に

「控除額の上限額は年収や家族構成によって異なります。
収入、家族構成別の全額控除額の目安は
総務省のHP=http://www.soumu.go.jp/などで確認できると思いますので、
コストパフォーマンスを考えた上で検討を」

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確定拠出年金の拡充(予定)

2016年度以降、専業主婦(第3号被保険者)等にも対象者を拡充の見込み

「確定拠出年金とは、個人が自分の口座に積み立てたお金を運用する私的年金。
掛け金は全額所得控除、運用益は非課税、受け取り時にも
税制の優遇が受けられるなどの特長があります。
長期運用のメリットが享受でき、老後の資金づくりの有効な選択肢となりそうです」

新社会人のためのマネーの心得

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初めて給料をもらうという新社会人の方も多いのでは。
マネー体力をつけるには、〝初めの第一歩が肝心〟ということで、
押さえておきたい心得を紹介します。

その一クレジットカードは枚数を絞り、一括払い

便利さゆえに、つい多用しがちなクレジットカード。たくさん持つのは浪費の元なので、使い勝手のよい2枚程度に絞りましょう。分割やリボ払いは高い手数料・利息がつき、買い物しすぎる傾向になりやすいので、一括払いが基本です。

また、支払いの遅れなどがあると、個人の信用情報に記録が残ります。信用情報に記録があると、将来住宅ローンなど大きな買い物をするときの審査に通らないことも。クレジットカードを使うということは、未来のお金を先取りしている、支払い能力を判別されているということを常に意識しておきましょう。

そのニ将来を見越した自己投資を

将来のために自己投資できる時期。将来挑戦してみたいことがあるなら、スキルアップ、資格取得などの具体的な計画を立てて実践していきましょう。

その三無理のない範囲で先取り貯蓄
 

相談者の中には、新入社員のころからコツコツ貯蓄をして38歳で4000万円貯めてキャッシュで住宅を購入したという方と、同じ38歳で貯蓄ゼロという方がいらっしゃいました。
両者の明暗を分けたのは、マネーの力を早くから身に付けたか否か。
早いうちに貯めグセを身に付けておけば、一生困らないお金の習慣ができます。

松田里美さん

「リビングおかやま」2015年4月4日号掲載

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