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カルチャーゾーンで見つけよう 岡山の魅力


カルチャーゾーンが誕生して今年で30周年。さまざまなイベントが企画されています。

もんげー おかやま再発見

カルチャーゾーンで見つけよう岡山の魅力

 岡山に住んでいながら、まだまだ地元の知らない魅力がいっぱい。そこで「おかやま再発見」をテーマにした特集を随時掲載します。第1回は後楽園と岡山城を中心に12の文化施設が集まる地域「岡山カルチャーゾーン」に注目。カルチャーゾーンが誕生して今年で30周年。さまざまなイベントが企画されています。夏休みを利用して岡山の文化を再発見しましょう。

竹原伸之さん
(岡山県立博物館
学芸課長)

後楽園と岡山城を中心にした文化施設の集まる地域「岡山カルチャーゾーン」が誕生して今年で30周年。カルチャーゾーンの魅力と、博物館や美術館を利用するポイントについて、岡山県立博物館学芸課長の竹原伸之さんに聞きました。

 岡山カルチャーゾーンの魅力を一言でいえば、「さまざまな本物に出会える」と、いうことです。私たち学芸員は、貴重な文化財や優れた作品を扱いますから、それらの持つ力を実感しています。いくら教科書で学んでも、写真を見ても、およばないものが〝本物〟にはあるのです。

 今から4000年前のくさび形文字でつづられたメソポタミアの手紙、私たちの先祖が2000年前に使った古代吉備の土器や金属器、当時の最高の技術で作り上げられた日本刀、日本の水墨画を大成させた雪舟の名品、江戸時代に岡山藩主たちが愛した調度品、大正ロマンを彩った竹久夢二の美人画、さらに、現代作家の力強い作品など、さまざまな時代の作品が放つ輝きを目にすることができます。それは、音楽も同じ。優れたホールで演奏を聴けば、豊かな響きを実感できることでしょう。

 このように岡山カルチャーゾーンは、さまざまな本物を持つ12の文化施設が、わずか1km四方に集まる特別なエリア。ぜひ施設を訪れて、その魅力を体感していただきたいと思います。

 「博物館や美術館になじみがない」「行ってもピンと来ない」という方は、展示解説の日に合わせて足を運んでみるのもお勧めです。学芸員が各作品のいわれや歴史的背景を説明してくれるので、作品がぐんと身近になります。

 夏休みは、お子さんが楽しめるワークショップを計画する施設も多数。小さいころから美術館に行けば、本物に触れ合うことができ、感動する心が育ちます。博物館なら知的好奇心が刺激されて歴史や文化に興味を持つきっかけにもなります。

 岡山の文化に触れ、歴史を知ることは、地元への愛着につながります。子どもはもちろん、大人にも、もっと岡山の歴史と文化に親しんでほしいもの。慌ただしい日常の気分転換になり、心が豊かになるカルチャーゾーンに、気楽に気軽に足を運んでみてください。

岡山県立博物館

岡山の歴史を知りたいならココ

 「はにわのルーツが岡山って本当?」「栄西って岡山出身なんだ」。ココに来れば、何かしら岡山県の歴史を文化作品と一緒に学べます。公共施設なので安い入館料で見学可能。
 7月16日(木)~9月13日(日)、30周年記念企画展「岡山カルチャーゾーンの魅力」では、エリア内の美術館などから選りすぐりの名品を集めて紹介します。カルチャーゾーン内の施設をテーマで巡り、学芸員から数点ずつ作品解説を受けられる「かるちゃーさんぽ」に参加すれば、岡山の魅力を再発見できること間違いなし。

※(写真右)赤韋威鎧兜、大袖付(あかがわおどしよろいかぶと・おおそでつき )。平安時代末。残っている鎧兜は、戦国時代のものがほとんどなのでこの時期のものは貴重。平成28年1/1~1/17公開予定

夏休みワークショップ教室

【1】「挑戦!岡山城ぺぇぱぁくらふと」7/26(日)10:00~12:00

【2】「水墨画に挑戦!宮本武蔵の鳥を描いてみよう」7/26(日)13:00~15:00

【3】「夢二デザインで楽しむ くるみボタン」8/23(日)10:00~12:00

【4】「くさび形文字の粘土板ペンダント」8/23(日)13:00~15:00

会場:岡山県立博物館講堂
対象:小学生以上(小学生の場合は保護者同伴)
定員:20人(応募多数の場合は抽選)
参加費:【1】~【4】いずれも各500円
応募方法:博物館HPの専用フォーム、または往復ハガキに必要事項(参加者氏名、住所、電話番号、希望ワークショップ、小学生の場合は学年と保護者名)を記入して申し込みを。
応募締切:【1】【2】は7/20(月・祝)、
【3】【4】は8/11(火)

岡山城ぺぇぱぁくらふと

(写真提供:岡山シティミュージアム)

かるちゃーさんぽ~テーマで巡るカルチャーゾーン

【1】「探検!岡山城と城下町コース」無料 8/1(土)10:00~12:30 博物館~後楽園~岡山城~図書館

【2】「名品の中の生きものを探せ!コース」無料 8/16(日)10:00~12:30 博物館~美術館~オリエント

【3】「隠されたテーマを探せ!コース」無料 8/30(日)10:00~12:30 博物館~オリエント~林原

【4】「和を味わう!コース」1000円(お茶付き) 9/5(土)10:00~12:30 博物館~後楽園~夢二~美術館

集合:岡山県立博物館
対象:小学生以上(小学生の場合は保護者同伴)
定員:各コースとも20人(応募多数の場合は抽選)
応募方法:博物館のHPの専用フォーム、または往復ハガキに必要事項(参加者氏名、住所、電話番号、希望コース、小学生の場合は学年と保護者名)を記入して申し込みを
応募締切:【1】【2】は7/22(水) 【3】【4】は8/17(月)

【岡山県立博物館DATA】

岡山市北区後楽園1-5(後楽園入り口前)TEL.086(272)1149
4~9月 9:00~18:00 10~3月 9:30~17:00開館 月曜休館(祝日の場合は翌日)
通常入館料/大人250円、65歳以上120円、高校生以下無料

夢二郷土美術館

こども学芸員が1年間活動

 竹久夢二は、画家としてだけでなく、詩人、イラストレーター、デザイナーとしても才能を発揮したマルチアーティスト。この夏、ユニクロが夢二の作品からインスパイアされた浴衣の新作を発表するなど、そのデザイン性は現代でも通用しています。現在、〝デザイナー夢二〟を感じられる企画展「ユメジデザイン」を開催中。岡山では初公開となる木版画は必見です。
 ユニークなのは、「こども学芸員」の存在。「こども夢二新聞」づくりを呼びかけ、応募者から募ったこども学芸員は、勉強会で作品の取り扱いを学んだり、来場者に説明するギャラリートークを行ったりして1年間活動します。2年、3年と続ける子どもも珍しくないそう。

こども学芸員になって4年目です。 夢二の描き方などいろいろ 教えてもらえて楽しいです

小椋將史さん(14歳)

NYK LINEメニュー。昭和5年、木版。36.0×23.0cm。
日本郵船秩父丸の船内レストランのメニュー

こども夢二新聞募集

 小学4年生~中学3年生を対象に、夢二をテーマにした新聞を募集。作品は美術館で展示され、優秀作品には賞状と賞品を、応募者全員に参加賞を進呈。締め切りは9月16日(水)。A3タテ用紙にまとめ、裏面に氏名、住所、連絡先、学校名、学年を記入して美術館へ。

★関連イベント【1】「新聞づくり教室」7/26(日)10:00~12:00 定員:30人

★関連イベント【2】「夢二バスで行く取材バスツアー」7/26(日)13:00~17:00 定員:親子20組(子どものみの参加は不可)

【1】【2】ともに、こども夢二新聞に応募する小学4年生~中学3年生対象、参加無料(本人と付き添い1人)

夢二バスに乗って瀬戸内市の夢二の生家などを訪ねる取材バスツアー

ワークショップ 菓子木型で消しゴム作り

8/8(土)【1】9:30~10:30 【2】11:00~12:00 【3】13:00~14:00 【4】14:30~15:30

講師:菓子木型彫刻「京屋」田中一史さん
定員:各回15人。ハサミ、タオル持参
参加費:350円(和菓子のお土産付き)
※別途入館料必要(ワークショップ参加者は2割引)

【夢二郷土美術館DATA】

岡山市中区浜2-1-32 TEL.086(271)1000 9:00~17:00開館(入館は16:30まで)
月曜休館(祝日の場合は翌日)
入館料/大人700円、中・高校・大学生400円、小学生300円

岡山市立オリエント美術館

時間と空間を超える非日常の世界

 時間と空間を大きく超えた、古代オリエントの世界。オリエント美術館があるのは、全国でも東京と岡山だけ。しかも岡山のオリエント美術館は、国内唯一の〝公立〟の専門ミュージアムです。

 約5000点所蔵し、その中には、5000年前に発達していた都市文明で使われていた日常品も。エジプトやイラン、イラクに行かずとも、ここ岡山で見ることができるという意味でも、足を運んでおきたい美術館です。

 美術品同様に堪能したいのが、西アジアの建築物を参考に設計され、独特の雰囲気を肌で感じられる建物とその空間。モスクの要素を取り入れ、吹き抜けの天井からは光が差し込み、真昼の光や夕焼けの光が楽しめるスポットもあります。工芸品を美しく見せる照明設計がなされ、ガラスが反射せず、暗い空間に美術品が浮き上がるような美しい展示も特徴。非日常的な空間なので、デートにもおすすめです。

 館内のカフェ「イブリク」のアラビックコーヒーで、アラブ文化を舌でも味わえます。

ジュニア・オリエント教室 トロイの木馬をつくろう

8/3(月)10:00~16:00 段ボールを積み上げて
ギリシア神話に登場するトロイの木馬を作る

参加費:入館料
定員:30人 申し込み必要
参加対象年齢:小学生以上

【古代の謎を解き明かせ! オリエント調査隊】

8/9(日)、8/21(金)10:30~16:00
参加費:入館料
定員:各日15人 申し込み必要
参加対象年齢:小学生以上

【古代の指輪を作ろう! オリエント指輪物語】

8/16(日)【1】10:00~【2】13:30~
参加費:250円+入館料
定員:各回20人 申し込み必要
対象年齢:小学生以上

▲有翼鷲頭精霊像浮彫(ゆうよくしゅうとうせいれいぞううきぼり)…前9世紀、ニムルド遺跡(イラク)。新アッシリアの都、ニムルド(古代カルフ)の宮殿壁面を飾っていたレリーフの一部。岡山市民から集まった寄付が購入資金の一部に充てられました

▲被葬者の死を嘆き悲しむ2人の女性の像(2~3世紀ごろ、シリア)

▲円形切子碗(6世紀ごろ、イラクまたはイラン)

▲ジュニア・オリエント教室

【岡山市立オリエント美術館DATA】

岡山市北区天神町9-31 TEL.086(232)3636 9:00~17:00開館 (入館は16:30まで)
月曜休館(祝日の場合は翌日)
7/18(土)~9/6(日)、特別展「ギリシア考古学の父シュリーマン」を開催。期間中の入館料/800円(前売り650円)、65歳以上・高校・大学生600円、小・中学生400円
※特別展以外の通常入館料は大人300円

【初心者向けカルチャーゾーンの楽しみ方】

1. 気分転換に行ってみる

基本的には静かな場所なので、心が落ち着く。

2. 力を抜いて鑑賞する

「勉強しよう」とか「全部鑑賞しよう」と気負わずに、気になった作品を中心に、自分のペースで鑑賞して、自由に感じる。疲れたら併設のカフェで一休みするのもOK。

3. 展示解説に合わせて行く

作品のことが詳しく分かるので、作品が身近になり、いっそう興味がわく。

4. 後楽園や岡山城と博物館・美術館をセットで楽しむ

四季を通して美しい後楽園や岡山城と、興味のある展覧会をセットにして、ぶらり散歩しながら、文化を満喫する。
※「後楽園(400円)+博物館(250円)」→520円(通常650円)など、セットだとお得になる共通割引券もあります。各館で販売

5. 何度も足を運んでみる

特に公立館は料金が安く、大学生まで無料の施設もある。一度に全部見ずに、何度かに分けてじっくり見るのもオススメ。一度では分からなかった新たな発見があるかも。
※「岡山後楽園等キャンパスメンバーズ」に加入している大学と専門学校の学生なら、学生証の提示で後楽園、県立美術館、博物館が無料(特別展は有料)

岡山カルチャーゾーンMAP

「リビングおかやま・くらしき」2015年7月4日号掲載

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