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10月第3日曜の16日(日)は「孫の日」 イマドキ孫育て


初めての“孫守り”を頼まれ、「OK!」と返事はしたものの、娘から「今の子育ては昔と違うのよ」と言われ戸惑っている…。そんな経験はありませんか。

10月第3日曜の16日(日)は「孫の日」イマドキ孫育て

イメージ写真

娘に初孫が誕生して大喜び。生後1歳半で初めての“孫守り”を頼まれ、「OK!」と返事はしたものの、娘から「今の子育ては昔と違うのよ」と言われ戸惑っている…。そんな経験はありませんか。
 10月16日(日)の「孫の日」。そこで、今どきの孫育てを専門家に聞いてきました。アドバイスは、子育て・孫育てセミナー講師なども務める岡山大学の大井伸子先生です。

「モウ~って鳴くのはウシさんよ。頭をなでてみようね」―。
都会では数少ない自然体験など、孫が興味を示すことはどんなことでも体験させてやりたい祖母。お母さんと意見が一致すると〝孫守り〟も疲れ方が違います(写真はイメージ)

大井先生

お話を伺ったのは…

大井 伸子 先生

岡山大学大学院 保健学科 研究科 生育看護学 准教授/妊娠・出産、子育てから女性の健康をサポートしている岡山県助産師会 副会長

子どもがセルフコントロール力を獲得できるようになるポイント

愛情たっぷりの関わりとスキンシップ→自己肯定感・アクセル
信頼感の確立
訴えることのできる自分を肯定

言葉が分かるようになると我慢を褒めるのがしつけ→心のブレーキ
ルールが子どもの価値観の一つとして取り込まれる
興奮を抑制する力が育つ

孫とのコミュニケーションはスキンシップが一番

今は、泣く度にしっかり抱きしめて育てる

 女性が第1子を出産する年齢が高くなる一方、核家族化が進み子育てに悩む若いお母さんが増えているのも事実。そして祖父母も、「孫が生まれてうれしい半面、昔と子育ての方法が変わったので、孫への関わり方に不安や戸惑いを感じる」といった声も聞かれます。

 「母乳とミルクの与え方は?」「抱っことおんぶ、どっちがいいの?」「布おむつと紙おむつは?」「厚着、薄着?」など判断に迷うこともいっぱい。迷う時は両親と祖父母がお互いに話し合って「子育て事情が変化し続けている」ことを両方が理解することです。

 「もう出る幕がない」と思ってしまう祖父母さんもいるのでは? しかし、変わったことばかりではなく、変わらないこともあります。子どもの成長には、両親と異なる世代の祖父母と関わることで「生きる力」「社会性」を身に付けられます。

有り難いんだけど、昔と違う…ママ&パパ

 “祖父母力”を発揮し、楽しみながら孫と関わることで、新しい刺激も増えて生活にもメリハリができ、祖父母の皆さんの気持ちも若返ると思います。

 例えば、祖父母から見ると「よく泣くけど母乳が足りていないのでは?」と思うこともあるでしょう。でも、赤ちゃんが泣くのは母乳が足りていないからとは限りません。母乳が十分出るようになるには時間がかかる人もいます。母乳の出が少なくても、よく吸わせることが母乳分泌につながります。両親も祖父母も、焦らずゆったりした気持ちで子(孫)育てをするのが一番です。

大切に思う気持ちを行動で示して!

子守唄や手遊び歌などは〝心の栄養〟です

 何かしてほしくて泣いたとき、誰かが抱っこすると赤ちゃんは安心します。その安心が信頼になります。子守唄、わらべ歌、手遊び歌など、スキンシップと語りかけはお子さんの“心の栄養”になるのです。絵本の読み聞かせは、教育面からだけでなく、お子さんとのコミュニケーションの視点からもよいとされています。

おもちゃに飽きた子供イメージイラスト width=

 欲しがるおもちゃをすべて買い与える祖父母さんも多くいますが、子どもはすぐに飽きてしまいます。買い与えるだけでなく一緒に遊んであげることが大切。おもちゃは与え過ぎに注意を。購入する前には、まずは両親に相談しましょう。

 最近のおもちゃは電動で動くものが多いのですが、自分で何かをして遊ぶおもちゃがお勧め。コマ、けん玉、お手玉、紙風船、手作りおもちゃなど手先を使うおもちゃも見直されています。特に子どもの個性を大切にして、性別に関係なく、押し付けのない子育てを心掛け、大切に思う気持ちを行動で示しましょう。

 今は「叱るより褒めて育てる」。「ありがとう」は最高の褒め言葉です。人を思いやる心、優しい心はたくさん愛された経験から育つものです。祖父母世代との関わりは、病気・老い・死を学び、弱きものへのいたわり、優しさを学び、育むでしょう。

遠慮しないで任せて!ばあば&じいじ

 また、客観的に見ながら関われる存在でもあります。育児経験から見えてくるもの、気付くものがあります。手や口を出さずに、優しく温かい心で、自信が持てるように「肯定的にパパ・ママ・マゴ」を見守ってあげましょう。

子育て」は変わっていくことを知って!

日光浴(生後2カ月頃から行う) → 紫外線に注意(大人と同じように対策を)
抱っこ(抱き癖がつくので抱っこし過ぎないように) → たくさん抱っこ(スキンシップのため必要)
布おむつが主流(洗濯して使えば経済的) → 紙おむつが主流(便利である)
おんぶ(両手が自由に使える) → 抱っこ紐の一種・スリング、抱っこ紐(顔が
見えて赤ちゃんの様子が常に確認できる)
ベビーパウダー使用(おむつ替えや風呂上がりに皮膚ケアとして) → ベビーパウダーはあまりつけない(パウダーは毛穴を塞ぐので、かぶれることがある。なるべく使わないか、つけるなら少しだけ)
白湯(風呂上りの水分補給に) → 風呂上がりも母乳かミルク(離乳食が始まるまでは、白湯や他の水分は特に必要ない)
ミルクも推奨(泣いたらミルクで追加する) → 母乳育児を推奨(赤ちゃんにベストな栄養)
果汁・スープ(果汁はビタミンCの補充のため) → 果汁・スープは、離乳食開始までは与えない(栄養学的にミルクや母乳で十分)
離乳食は1歳までに完了(スタートする時期も生後4カ月くらいからが基本だった) → 離乳食は1歳6カ月までに完了(子どもの様子を見ながら進める。アレルギーに注意)
断乳」(昔はこう呼んでいた) → 卒乳」(自然におっぱいを卒業する意味)

昔の育児のよい点もあります。昔のことを否定するのではなく、おんぶなども上手く取り入れ、紙おむつや布おむつを使い分けていくとよいですね。

「孫の日」とは…祖父母と孫のコミュニケーションを深めることを目的に、「敬老の日」の1カ月後にあたる10月第3日曜日を設定、平成11年日本記念日協会の登録認定を受けスタート。最初に提唱したのは日本百貨店協会

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2016年10月15日号掲載

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