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もらって当たり前ではない「お年玉」 思いやりと感謝でハッピーに


 

もらって当たり前ではない「お年玉」 思いやりと感謝でハッピーに

もらって当たり前ではない「お年玉」 思いやりと感謝でハッピーに

「何歳から何歳まであげるものなの?」「相手にお子さんがいない場合は?」…リビング読者から寄せられたお年玉に関する質問に、子どものマネー教育に詳しいファイナンシャル・プランナーの吉田公子(キミコ)さん・洋基(ヒロキ)さん親子に答えていただきました。

キミコ 私の母は、新札を用意して、できるだけ折り目がつかないよう、ふんわりと折ってポチ袋に入れていました。
母にならって私もそうしています。
ヒロキ 中学生のときにお年玉を使いたいと交渉して、机付きのロフトベッドやゲームを買って使い切りました。後になって、「今、あのお年玉があったら…」と後悔しましたが、そのときの失敗で預金の大切さを学びました。

左:吉田公子さん CFP®認定者。中国財務局財務行政モニターを務める

右:吉田洋基さん CFP®認定者。社会保険労務士。厚生労働大臣からの委嘱を受けて活動する年金委員を務める

Q受け取ったお子さんがすぐ袋を開けて「何円入っとった~」と親に見せる行動には、考えさせられます。受け取り方もしつけた方がいいのでは?
それとも、すぐ見ることは子どもらしくていいのでしょうか。(52歳)

イメージイラスト

イラスト/銀杏早苗

キミコ 相手の目の前で開けないように伝えておきましょう。親せきが集まっている場で金額を公表されたくはないものです。
お年玉は、お小遣いをもらっていないお子さんの場合は、最初の金銭教育の場。渡す方は、必ず親の目の前で渡すこと。いただく側は両手で受け取り、親子ともに感謝の気持ちをしっかり伝えてください。多い少ないではなく、「いただけてありがたい」と感謝する親の姿は、子どもにも伝わるものです。
ただし、親は金額をしっかり把握しておいて。子どもはポチ袋から出して全部のお年玉を一緒にしがちです。誰がいくらくださったのか、確認しておきましょう。

Qいただいた相手には子どもがいないけど、もらいっ放しでいい?(35歳)

キミコ 同額でお返しをしようと思わなくてもOK。ただし、感謝の気持ちとしてお菓子などを用意しておき、「お年賀」としてお渡ししましょう。

Q1歳と0歳の甥と姪がいます。何歳から何歳まであげたらいい?(40歳)

ヒロキ 0歳や1歳のお子さんには、無理をしてあげる必要はないでしょう。何かをあげたいのであれば、お菓子やおもちゃなど値がはらないものをプレゼントしては。

キミコ お年玉のスタートは、お金のことが分かり始めた幼稚園児や小学生くらいからで。何歳まであげるかも人それぞれで決めればいいのですが、私の場合は大学卒業を目安にしていました。今どきの大学生は苦学生も多いので助かるのでは。

Q私には子どもがいないので、お年玉をあげるだけで過ごしてきた。会えばあげないわけにもいかず、子どもが喜べば、私もうれしい。しかし、経済的には今まで数十万円支出するばかり。お金の余裕もないのに…。どうしたらいいの?(57歳)

キミコ あげたくないのに渡すのは、〝生きたお金〟の使い方とはいえません。勇気のいることですが、「今年から少なくてごめんね。一律1000円にしたから」と宣言しては。

ヒロキ 子どもの立場からすると、誰がくれたかは覚えていても、誰からいくらもらったかは、それほど覚えていないことが多いものです。お年玉をもらえること自体がうれしいのですから。

キミコ 生活が苦しい家庭が増えています。孫のために節約し、少ない年金から捻出(ねんしゅつ)するおじいちゃん、おばあちゃんもいます。逆にお年玉がもらえない子どももいます。「お年玉をもらって当たり前」ではなく、「いただけることがありがたい、大切に使おうね」と子どもたちに伝えたいですね。

Qお年玉は、親が管理して貯金した方がいいのか、子どもに自由にさせた方がいいのか。先々どちらが子どものためになりますか。(42歳)

キミコ いただいたお年玉を、全額預金するご家庭もありますが、子どもに渡す分と預金分に分けて、預金分は子ども名義の通帳に入れているというご家庭が多く見受けられます。子どもがある程度大きくなるまで、通帳は親が管理すること。一方、子どもに渡した分も、ある程度は任せてもいいですが、大きな金額をいっぺんに渡すのではなく、何カ月分かに分けて渡したり、小遣い帳に付けさせたりして使い方を見届けましょう。

Q年齢相応のお年玉の相場を教えて。(31歳)

キミコ 平均額は地域によっても異なりますし、各ご家庭の事情で決めるもの。相場を気にしないで、それぞれで負担のない額に設定して。親せき同士で話し合える関係なら、事前に決めておいてもいいですね。

Q親せきの家は一人っ子、こちらは3人という場合、相手に多くあげた方がいいの?(43歳)

キミコ 神経質にならない方がいいですが、受け取る人数が多い側は迷いますよね。気になるようなら、お菓子などのお年賀で調整すればいいと思います。

Q先方は4人兄弟。中学生・高校生なので、一人5000円あげていたら大出費。わが家は一人っ子。先方はわが子に3000円です。相手が全く気を使わないので、悲しい。(34歳)

ヒロキ お年玉の金額は子どもの年齢に合わせて上がっていく傾向が強いので、初めに無理をしないことが肝心です。いったん金額を上げると、下げにくいものですから。

キミコ 1人あたり○○○円という一般的な相場にとらわれ、振り回される人が多いように感じています。相場ではなく、負担のない、無理のない額で渡しましょう。

ヒロキ このご質問の場合、相手の「もらって当たり前」という態度に対しての不満が大きいのではないでしょうか。親同士の、相手への思いやりが大切です。

なぜお年玉というの? ?

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歳神様の御魂=歳魂(としだま)が語源

神崎宣武さん(民俗学者)

山からやってくる歳神(としがみ)を家に迎えるのがお正月。歳神の依り代となる鏡餅は、歳神の御魂(みたま)すなわち歳魂(年玉)が宿っているとされ、御魂分けをするために、その餅を下げ、分けていただく習慣ができました。

江戸時代、鏡餅のほかにも小さな丸餅をたくさん作り、親族や年始客に「わが家の年玉」として配ったのが、年玉の始まりです。お年玉は今日では子どもへの贈り物になっていますが、かつては主人から使用人へ、家長から家族へ贈られる正月の贈答品もそうでした。餅だけでなく、金銭、食品、品物を渡すこともあり、総称して「お年玉」と呼んでいました。

わが家のお年玉ルール

「あなたのマイルールを教えて」と読者アンケートを実施したところ、お年玉を渡す側、受け取る側、それぞれからお便りが届きました。中には「お盆玉をもらっていた」という体験談も。一部を紹介します。

お年玉イラスト

年末のもちつきは、親せきが大勢集まる一大行事。お年玉のやりとりはそのときです。大人は16人、子どもは17人もいます。
それぞれの子どもに年齢別にお年玉をあげると膨大な金額になるため、お互いに子ども1人1000円という暗黙のルールにのっとって渡しています。(43歳)

いただいたお年玉のうち、子どもから「いくら使いたい」という要望も聞きながら、一部を子どもに渡し、残りは子ども名義の通帳に預金しています。
将来、子ども自身が必要になったとき、役に立つと思っています。(44歳)

お年玉をくれる方にお子さんがいない場合は、お茶やお菓子を包んだお年賀を渡しています。
(34歳)

私は備前市日生出身。お正月にお年玉をもらうのと同様、お盆には「お盆玉」というお小遣いを祖父母や親せきからもらっていました。金額はお年玉と同じくらい。
しかも、お墓参りだけに来る、お正月には会わない親せきからもらえたり、おばあちゃんちに来た見知らぬおばさんもくれるなど、もらえる範囲が広かったので子どもにはうれしい習慣でした。(28歳)

小学生の子には、低学年は1000円、中学年は2000円、高学年には3000円と、親せき同士で決めています。(71歳)

どなたからいくらいただいたのかを家計簿に記入しておき、来年はこちらも先方と同額にして、バランスを取っています。(33歳)

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2014年12月27日号掲載

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