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何でも相談できる・いざという時頼りになる…かかりつけ医どう選ぶ?


何でも相談できる・いざという時頼りになる…かかりつけ医どう選ぶ?

何でも相談できる・いざという時頼りになる…かかりつけ医どう選ぶ?

イラスト/銀杏早苗

内田耕三郎先生

岡山市医師会会長
内田耕三郎先生

「良きかかりつけ医」選びに役立つ情報を、連載でお届けしている
「かかりつけ医を考える」。
第2回は、いざという時に頼りになる医師を選ぶポイントについて。
自身も開業医として日々地域の患者さんに接している、
岡山市医師会会長の内田耕三郎先生に聞きました。

※この特集内で表現する「かかりつけ医」とは、地域の開業医を指しています

~キーワード解説~
  • 診療所
    患者の入院施設を有しないもの、またはベッド数が19床以下の入院施設を有する医療機関
  • 病院
    ベッド数20床以上の入院施設を有する医療機関
  • 地域医療支援病院
    他医療機関から紹介された患者に医療を提供していること、救急医療を提供できることなどの条件を満たしている病院

地域医療の流れ

地域医療の流れイメージ図

地域医療支援病院
(大学病院や救急病院など)

地域のかかりつけ医

患者

  • 1

    一般的な外来診療は、
    まずは地域のかかりつけ医へ行く。

  • 2

    かかりつけ医が必要だと判断すれば、
    紹介状を持って地域医療支援病院などへ。

  • 3

    病状が安定すれば、地域に戻り、
    かかりつけ医のもとで診てもらう。

かかりつけ医と地域医療支援病院で役割が分担される
ことで、よりスムーズに、適切な治療が受けられます。
さらに、薬剤師や介護事業者もこの連携に加わり、
在宅医療をより良いものにしていこうという取り組みが今進んでいます。

優秀なかかりつけ医とは、幅広い知識とネットワークを持つ医師

私たちかかりつけ医の役割は、日ごろから何でも相談できる身近な医師。自分の専門科目以外も、広く診察できることが強みです。

医師会では、年間を通じてさまざまな診療科目の最新の知識を学ぶ勉強会を開催。開業医はこの勉強会などを通して、自分の専門科目以外についても医療知識の向上に努め、医師同士のネットワークを構築しています。

相談しやすいこと、日常的な健康のサポートができることはもちろん、自分の範疇(はんちゅう)を越える場合は、速やかに適切な専門医や病院を患者さんに紹介できることが、かかりつけ医の必須条件。地域に根差した医師ならば、医師同士の口コミやネットワークで、〝この検査ならここの先生がうまい〟など、たくさんの情報を持っています。

患者さんの中には、軽症でも直接大きな病院に掛かる方がいらっしゃいますが、ベッド数が200床以上の病院に医師の紹介状なしで行くと、初診の場合、病院ごとに決められている選定療養費が必要です。さらに患者さんの自己判断だと、間違った診療科にかかってしまったり、必要でない検査をして、経済的な負担が増えたりすることもあるでしょう。

幅広い知識を持つ医師であれば、患者さんの話を聞き、診察すれば、ある程度不調の原因の予想はつくもの。かかりつけ医に絞り込んでもらって、医師から見て信頼がおける専門医や病院を紹介してもらうほうが、効率よく適切な治療を受けられます。かかりつけ医を持つことは、医療機関に賢くかかるための、コツとも言えるのです。

イメージイラスト

かかりつけ医選びのポイントについて、
岡山市医師会会長の内田耕三郎先生に聞きました。

~~かかりつけ医にかかるときに、覚えておきたいこと~~
  • 過去の病歴をできるだけ正確に伝える
  • 薬の重複を防ぐため「お薬手帳」を持参しよう

かかりつけ医選びは、地域の口コミと積極的な情報収集がカギ

自分に合うかかりつけ医を選ぶためには、地域の口コミが1番。長年その地域で暮らしている方に聞いてみる、地域で実施されている予防接種や健康診断に行ってみる…。患者さん自身もアンテナを張り、積極的に情報収集をしていただければと思います。

岡山市医師会のホームページでは、岡山市のほぼすべての開業医(400件以上)と主な病院を登録した「かかりつけ医マップ」を公開中。ご自宅の近くの医療機関を探すことができます。マップでは、訪問診療や往診の可否なども掲載していますので、良きかかりつけ医選びの参考になれば幸いです。

サイトイメージ

岡山市医師会のかかりつけ医検索サービス

パソコン岡山市医師会 かかりつけ医マップ

「岡山市医師会 かかりつけ医マップ」で検索
http://www.okayama.med.or.jp/okayama/

住所や施設名などを入力すると近隣の該当する医院が表示されます。この秋リニューアルし、より見やすく、詳細な情報が手に入りやすくなりました。医院によっては、夜間診療や緊急診療が可能かどうかも記載されています。

岡山市医師会事務局

TEL.086(272)3236 8:30~17:30受け付け

内田先生に聞いた望ましい、かかりつけ医の条件

  • (1)病気・治療について、よく説明してくれる医師

    「会話だけでなく、患者さんの表情や動作も、病状を見極める上で大きな判断材料になります。
    診察室に入ってきたときから、患者さんの様子をよく観察しているかどうかも、より良い医師を選ぶポイントです」

  • (2)自分一人では手に負えない病気は、速やかに適切な専門医を紹介してくれる医師

    「症状が回復しない場合、いつまでも自分の医院に患者さんを通わせるのではなく、適切な専門医や医療機関に早く紹介する、その見極めがうまい医師が優秀なかかりつけ医と言えるでしょう」

  • (3)できるだけ自宅から近く、通いやすい医院の医師

  • (4)必要なとき、いつでも連絡が取れ、適切な指示を与えてくれる医師

    「一部の開業医は緊急用の携帯電話の番号を患者さんに開示するなど、24時間連絡が取れるようにしています。地域の医師同士で連携を取り、自分が不在の場合は近くの医師に代理を頼む体制を構築している場合も。特にご家庭に小さなお子さんやお年寄りがいる方は、夜間や緊急時の対応を事前に確認しておくといいですね」

  • (5)話しやすく、相性が良い医師

    「医師と患者さんが信頼関係を築いていくには、お互いの理解を深めるところから始まります。コミュニケーションをとりながら、自身が納得できる方針で、長く付き合える医師を見つけていただければと思います」

~読者アンケートより~

かかりつけ医に求めることは、
継続的な診察による見極め・不安の軽減・優れた医療機関への橋渡し

アンケートはリビングおかやま・くらしき9/27号、弊社HPで9/25~10/6に実施 有効回答数71

Q.かかりつけ医を持っていますか ※総合病院の医師も含む
「はい」と回答した人は86%、「いいえ」は14%。
いいえと答えた人からは「近くにいい病院がないから」
「総合病院のほうが安心できるから」「探し方が分からない」
という意見が寄せられました。
円グラフ
Q.かかりつけ医に決めた理由は何ですか ※複数回答可 ( )内は回答数
最も多かったのが、「近所だから(38)」という回答。「話しやすいから(28)」「適切な治療・処方をしてくれるから(25)」「診察が丁寧だから(23)」という意見が続きます。そのほか、「大学病院との連携があるから」「女医さんだから」との回答も。
Q.かかりつけ医に望むことは何ですか
  • 普段から継続してかかることで、生活スタイルなどを把握して、適切な治療や予防策の提案をしてほしい。
  • 待ち時間が少なく、診察もスムーズに丁寧に診てほしい。
  • 正確な見立てと、医療技術・サービスの優れた医療機関への紹介。
  • 体調の変化などを見極めることができる。
  • その場限りの診察でなく、これまでの病歴を考慮しての総合的な医療を施してほしい。
  • 「どんなにささいなことであっても、患者の話に耳を傾けよう」との態度を示してくれることが、不安を抱える患者にとっては、何よりも心の支えになります。
Q.かかりつけ医を持っていて良かったというエピソードを教えて
  • 子供の突然のケガや病気に対し、土日や夜間でも対処してくれた。遠くて通院できなかった総合病院での治療を近くのかかりつけ医が引き継いでくれるなど、家庭事情を考慮してくれた。(南区/36歳)
  • 子供たちが熱でしんどくても、「先生に診てもらうと安心して元気になる」と言う。子育て中、子供の病気はすぐに病院に行くが、自分の調子が悪いときはなかなか行けない。でも子供と一緒に診察してもらえ、薬も出してくれるので、助かっている。(中区/36歳)
  • 合う薬、合わない薬を把握し適切に処方してもらえるので、無駄がなく、完治するのも早い。(中区/37歳)
  • 家族にも相談できないことが、かかりつけ医だと素直に相談できる。(倉敷市/45歳)
  • いつも最初から話さなくても、家族の様子もある程度知ってくれている。(北区/46歳)
  • 診察をして、今月はよく頑張ったね、と安心感を与えてくれる。(倉敷市/65歳)
  • 頑固な主人に精密検査の必要性を熱心に説き、的確な病院を紹介してくれた。その結果、病気を発見することができました。(中区/47歳)
  • 子供が1カ月健診のころからお世話になっている。普通の子だったら薬の服用だけでも良いところを、わが子は胃腸が弱く症状の悪化速度が速いため、早目に点滴などの処置をしてくれる。何度入院手前で留まれたか分かりません。(北区/46歳)
  • いくつかの持病を持っていて、アレルギー疾患もあります。手術が必要なときに大学病院の麻酔科でもなかなかうまくいかないことが多いのですが、他院での手術を受けることになったとき、いくつかの候補の病院の中から、自身の経験の中で、私に一番適切な病院を勧めてくださり、問題なく手術を受けることができました。(倉敷市/50歳)
  • 20年以上前のカルテもパソコンで見られ、血液検査の結果も一目瞭然(りょうぜん)。生まれる前から知っている息子さんが後を継いでくれそうで、こちらも一安心です。(中区/49歳)

「リビングおかやま」「リビングくらしき」2014年10月25日号掲載

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